とうもろこしの栄養を効率的に摂れる食べ方とは?ひげのもつ栄養まで徹底解説

とうもろこし

夏に食べたくなる食材の一つ、とうもろこし。甘くてみずみずしいので、熱くて火照った身体もスッキリとしますよね。とうもろこしは、メキシコなどでは乾燥コーンとして主食で食べられています。

そのため米、小麦と並んで世界の三大穀物の一つでもありますが、日本で普段食べられている「スイートコーン」という種類は野菜に分類されています。

栄養たっぷりで高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防はもちろん、お腹の調子を整えて便通を良くしてくれる効果もあります。そんな、健康に欠かせないとうもろこしには、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?栄養素の他にも、効率よく栄養素を摂る方法や料理をご紹介します。

とうもろこしに含まれる栄養素の効能とは

とうもろこしの栄養素は糖質が主体ですが、胚芽の部分にはビタミンやミネラル、食物繊維など、糖質を円滑にエネルギーに変化させてくれる栄養素が豊富に含まれています。

意外なのは脂質も含まれているということ。この脂質はヒトの体内では作ることができない脂質で、シミ・シワなどの肌のお悩みや、免疫力を上げるのに効果的です。

美容にも健康にも欠かせないとうもろこしには、具体的にどのような栄養素が含まれていて、私たちに嬉しい効果をもたらせてくれるのでしょうか?

ビタミンB群

とうもろこしには、8種類あるビタミンB群のうちの7種類が含まれています。ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6は糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素をスムーズにエネルギーへ変える働きをする酵素のサポートを行います。

パントテン酸も同じく、三大栄養素のエネルギー代謝をサポートしてくれるのに加えて、HDL-コレステロールを増やしたり、抗ストレス作用をもつホルモンを合成したり、免疫抗体の合成を行ってくれたりします。そのため、これらが不足すると疲労感や頭痛、めまいなどの症状が現れます。

他にも、不足すると疲労感や貧血の元になり「造血のビタミン」と呼ばれる葉酸は、とうもろこしに含まれるビタミンB群の中で1番多く含まれています。

ビタミンE

とうもろこしに含まれるビタミンEは強い抗酸化力をもつビタミンで、細胞膜を保護し細胞の老化を防いでくれます。

これにより血中のコレステロールの酸化を抑え、動脈硬化など生活習慣病の予防が期待されてます。抗酸化力が落ちてしまうと、シミやシワができやすくなります。

また、末梢血管を拡張し血行を良くする働きがあることから、血行障害によっておこる肩こりや冷え性、頭痛などの改善効果があります。とうもろこしのビタミン類は胚芽部分に多く含まれているので、一粒一粒残さずに食べるようにしましょう。

カリウム

とうもろこしのカリウムは100gあたり290mg含まれています。カリウムは本来、茹でることで減少しますが、とうもろこしのカリウムは茹でても多く残るのが特徴です。

カリウムは細胞内の浸透圧を調整し、ナトリウムを体外に排出する働きがあるので、塩分の摂りすぎによるむくみの改善に役立ちます。また、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制してくれるため、血圧を下げる作用があるとして、高血圧予防にも効果があると期待されています。

他にも細胞内の酵素反応を調整する働きで、エネルギー代謝をスムーズにする効果もあるので、細胞が正常に働けるような環境づくりも行っています。

カリウムは、摂りすぎた場合でも尿中に排泄されるので、普段の食事で過剰摂取の心配はありません。しかし、腎機能が低下している方は、尿の排泄が困難になると高カリウム血症を引き起こす可能性があります。

食物繊維

食物繊維はヒトの消化酵素で消化できない成分であり、便秘の改善をはじめ、お腹を整えるために役立っています。食物繊維には2種類あります。

一つが血糖値の急上昇を緩め、糖質の吸収を抑えてくれたり、血中コレステロールを低下させてくれたり、腸内の有用微生物を増やしてくれる「水溶性食物繊維」です。もう一つが腸内の毒素や有害物質とともに水分吸収して膨張し、便通の改善を促してくれる「不溶性食物繊維」です。

食物繊維は食の欧米化に伴い、近年の日本人には不足している栄養素の一つです。とうもろこしには実だけでなく、ひげにも豊富に含まれているため捨てずに食べることをおすすめします。

脂肪酸

コーン油を作るための原料と同じスイートコーンは、ヒトの体内で作ることができない必須脂肪酸のリノール酸やオレイン酸を含んでいます。これらの脂肪酸は、血液中のコレステロールを低下させ、動脈硬化を予防してくれるため、脳梗塞や狭心症のリスクを下げてくれます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

とうもろこしは野菜?それとも穀物?

とうもろこし

日本で食べられているほとんどのとうもろこしは、糖分が多い甘味種のスイートコーンと呼ばれるもので野菜に分類されています。しかし冒頭でもお伝えした通り、世界ではとうもろこしを主食にしている国もあり米、小麦粉と合わせて「世界三大穀物」と呼ばれています。

日本で売られているとうもろこしのカロリーや糖質を他の野菜と比べると、糖質が多く、不飽和脂肪酸も含まれていることからカロリーも高くなります。しかし、日本人が主食としている米に比べるとカロリー、糖質ともに低くなっています。

また、胚芽を落とした白米に比べてビタミン類の栄養素は高いので、カロリーや糖質が高いからといって極端に疎遠するのではなく、食べる量を調整していきましょう。

とうもろこしに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

とうもろこしは糖質だけでなく、ビタミン・ミネラル・食物繊維とたくさんの栄養素を含んでいることがわかりました。しかし、栄養たっぷりのとうもろこしも食べ方によっては、せっかくの栄養素を摂りこぼしてしまうことになりかねません。

今回は、皮つきとうもろこしを購入したとき捨ててしまいがちな「ひげ」の部分に含まれる栄養素についても触れ、栄養成分を効率的に摂る方法についてお伝えします。

とうもろこしはひげにも栄養がたくさん

とうもろこし

生のとうもろこしをスーパーで購入すると、「皮やひげなど捨てる部分が多くて困る・・・」と思っている方はいませんか?実は、とうもろこしのひげには捨ててしまうにはもったいない栄養素がたくさん詰まっています。

とうもろこしのひげは中国で昔から漢方「南蛮毛」と呼ばれるほどポピュラーなもので、人々の健康をサポートしてくれています。とうもろこしのひげには、むくみの解消や高血圧予防に効果的なカリウム、酸素を全身に供給し貧血を予防してくれる鉄、お腹の調子を整えてくれる食物繊維などが含まれています。

これらの栄養素を天日干しで、ギュッと凝縮させた「とうもろこしのひげ茶」は、日々の食事では摂りきれない栄養素を食事と一緒に摂り入れることができるのでおすすめです。

一本丸ごと電子レンジでチン

とうもろこしには前述したように栄養素がたくさん含まれていますが、特にビタミンB群は水溶性のため、たっぷりのお湯で湯がくと、せっかくの栄養素が水に溶け出てしまいます。

そこでおすすめしたいのが、とうもろこしを皮ごと電子レンジで加熱する方法です。加熱時間を減らすために、とうもろこしの皮を少し剥き、500~600Wで5分ほど加熱するとできあがりです。

できたてのとうもろこしの皮を剥くのは熱いので茎と葉の付け根から2センチくらいのところを切り落としてみてください。皮の先端をもってとうもろこしを振ると簡単に剥くことができます。

とうもろこしを使ったおすすめ料理3選

これまでに、とうもろこしは糖質やカロリーも多く含まれてはいますが、同時にたくさんのビタミンやミネラルを摂れるため、健康の維持・増進には欠かせない食材ということがわかりました。

これから夏に向けて栄養価も増すとうもろこしを美味しく食べることができるおすすめ料理を3つご紹介します。

とうもろこしとほうれん草のバター炒め

バターをフライパンに敷き、とうもろこしとほうれん草を炒めるだけの簡単かつシンプルな料理です。

少し多めに作り、余った分は小分けにして冷凍保存しておけば、あと一品足りないときの心強い常備菜になります。食卓に並べると彩りも豊かになるのでおすすめです。

また、油で炒めるので水溶性の栄養素が溶け出る心配もなく、無駄なくとうもろこしをいただくことができます。

とうもろこしのひげ入りスープ

「とうもろこしのひげを、どのように調理すれば良いのかわからない・・・」そんな方は、スープに一緒に入れてみてはいかがでしょうか?

夏野菜の仲間であるズッキーニやトマト、ほかにもたまねぎやにんじんを入れて具沢山にすることでいろいろな栄養素を一度に摂取することが可能です。

また、水溶性のビタミンは汁に溶け出るため、スープも一緒に飲むことで水溶性ビタミンを捨てることなく食べることができます。

とうもろこしごはん

とうもろこしごはん

炊飯器に白米ととうもろこし、お好みの調味料を入れておくだけのほったらかし料理です。ご飯を炊く際に実だけでなく、実をとったあとの芯を一緒に炊くことで、風味がより豊かになり栄養素もあますことなく摂取できます。

また、胚芽をそぎ落としビタミンなどの栄養素が少なくなっている白米の栄養素をとうもろこしが補ってくれます。一緒にとうもろこしのひげを細かく刻んで炊くことでさらに栄養価が高まります。

まとめ

今回は、とうもろこしの健康や美容に嬉しい効果や、おすすめの調理法について解説しました。とうもろこしには、むくみや便秘、肩こりといった日々のお悩みから、生活習慣病の原因にもなる高血圧や動脈硬化の予防も期待できるので、栄養素をあますことなくひげの部分まで食べてくださいね。

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この記事を書いた人:住吉 彩

この記事を書いた人:住吉 彩この記事を書いた人:住吉 彩

保有資格:管理栄養士、野菜ソムリエプロ

食べることが大好きでありながら、思春期に社会にあふれる様々な食情報に左右されたことから、管理栄養士を目指す。卒業後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」という思いから独立し、独自のオリジナル講座を主宰。その他、特定保健指導、クライアントの企画提案、商品開発、記事監修、講師活動などを行っている。
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