【管理栄養士が解説】きくらげは意外に栄養満点!栄養素や効能、おすすめ料理をご紹介

皆さんはきくらげにどんな栄養素が含まれているかご存知ですか?実は、きくらげは私達の身体にとって良い働きをする栄養素を多く含む食材です。

心身ともに健康的な生活を続けていくためには食生活が大切なポイントとなってきます。

今回は、きくらげに多く含まれる栄養素とその効能、料理への取り入れ方について管理栄養士の視点からご紹介していきます。

きくらげとはどのような食材?

中華料理でおなじみの「きくらげ」は、見た目や名前から海藻と間違えられがちなのですが、実はきのこの一種です。食べるとコリコリとした歯ごたえが特徴的で、味にクセがないためさまざまな食材と合わせることができます。

日本でも栽培は行われていますが、現在出回っているきくらげの9割以上は輸入品で、その多くは中国産とされています。

きくらげには湯通しするだけでそのまま使用できる生きくらげと、一度水で戻してから使用する乾燥きくらげがあります。流通しているものの多くは乾燥きくらげですので、調理する際はたっぷりの水で戻してから石づきを取って、炒めたり茹でたりと加熱をして食べるようにしましょう。

また、乾燥きくらげのカロリーは100gあたり167kcalではありますが、実際料理に取り入れる際は2~3g程度しか使いませんので、きくらげのカロリーは限りなく低く、ヘルシーな食材といえるでしょう。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

きくらげに含まれる栄養素の効能とは?

ヘルシーな食材であるきくらげですが、栄養素としては一体どのようなものが多く含まれているのでしょうか。

実は、きくらげは日本人に不足しがちな栄養素を豊富に含んでいます。特に女性の悩みに多い骨粗しょう症や便秘、貧血の予防に有効活用することができます。

ここでは、同じきのこ類であるしいたけと栄養素量を比較しながら、3つの栄養素について解説していきます。

ビタミンD

きくらげに多く含まれる栄養素としてまず挙げられるものがビタミンDです。

乾燥きくらげ100gに含まれるビタミンD量は85.4μgで、しいたけと比較すると実に7倍もの量に相当します。ビタミンDは骨の健康に関わる栄養素で、食品からの摂取のほか、日光を浴びることによって体内で生成されます。カルシウムの吸収を促進する働きがあるため、骨粗しょう症予防に必要な栄養素として知られています。

普段から日光を浴びる機会が多い方は不足しにくいといわれていますが、加齢とともにビタミンDを体内でつくり出す機能が低下したり、外で日光を浴びる時間が少なくなったりすることが原因でビタミンDが不足することがあります。

また、ビタミンDを多く含む魚介類やきのこ類の摂取が少ないことで不足する可能性もありますので、きくらげを食べて定期的にビタミンDを摂取するよう心がけましょう。

食物繊維

食物繊維は第6の栄養素ともいわれるほど重要視されており、現在の日本人に不足しがちな食品成分です。乾燥きくらげ100gに含まれる食物繊維量は57.4gで、これはしいたけの約1.5倍の値です。

食物繊維の体内での働きは他の栄養素とは異なり特徴的で、たんぱく質、脂質、炭水化物などの栄養素が体内で消化されて小腸から吸収されるのに対し、食物繊維は消化を受けずに大腸まで届きます。

そのため、腸内の老廃物を絡め取って排泄してくれることから、お通じの改善やデトックスに効果が期待できます。近頃話題になっている、腸内環境改善にも欠かすことのできない存在です。

鉄は女性にとって特に不足しやすい栄養素で、慢性的な貧血に陥っている方も少なくありません。できるだけ工夫をして、日々の食生活から摂取することが必要となりますが、鉄を多く含むレバーなどの食品は食べにくいという声も多いですよね。

鉄の摂取には動物性食品から摂れるヘム鉄と植物性食品から摂れる非ヘム鉄があり、非ヘム鉄を摂取できる食品には野菜、豆類、いも、卵、乳製品とさまざまな種類があります。

体内への吸収率が高いヘム鉄、吸収率が低い非ヘム鉄という違いが多少ありますが、良質なたんぱく質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、非ヘム鉄の体内への吸収率も高くなります。

レバーが苦手という方はこれらの食品から鉄を摂取してみてはいかがでしょうか。きくらげはその中でも鉄を多く含む食品で、乾燥きくらげ100gあたり35.2gの鉄が含まれているので、しいたけの20倍もの量を摂取することができます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

1日あたりの食物繊維の摂取量ときくらげ

食物繊維の豊富なきくらげですが、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。

きくらげに含まれている食物繊維はほとんどが不溶性で、体内で水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする働きがあります。食物繊維は厚生労働省で積極的な摂取が推奨されており、50~64歳の目標摂取量は男性で21g/日以上、女性で18g/日以上となっています。

食物繊維の取り過ぎによって逆にお腹の調子が悪くなってしまう可能性もあるので、きくらげを食べる際には量は5g程度に収めると良いでしょう。(生きくらげの場合35〜40g程度)

参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)

きくらげの品種による違い

身体に良い栄養をたくさん含んでいるきくらげですが、品種によって含まれる栄養素の量は異なり、使える料理の幅も変わってきます。

ここでは、きくらげを食べる時に気をつけるべき注意点も併せて解説していきます。

黒きくらげと白きくらげの違いは?

「きくらげ」と聞くと、多くの方が黒いきくらげをイメージするかもしれません。しかし、きくらげには黒いものだけでなく白いものも存在します。

実は、白きくらげは世界三大美人の楊貴妃も愛用していたといわれている食材で、中国ではデザートでよく用いられる高級食材なのです。最近日本でも少しずつ話題になってきている、台湾スイーツ「豆花(トウファ)」のトッピングとしても使われています。

きくらげの品種による栄養素の違いは?

きくらげは品種により含まれる栄養素の量が少しずつ異なっています。先程ご紹介した栄養素は一般的に普及している黒いきくらげを基準に含有量を提示しましたが、アラゲキクラゲ、シロキクラゲには多く含まれる栄養素、少量しか含まれない栄養素がそれぞれ存在します。

アラゲキクラゲが通常のきくらげより多く含んでいる栄養素はビタミンDと食物繊維で、比較すると1.5倍近くの量があります。一方、通常のきくらげに最も多く含まれているのは鉄とカルシウムで、アラゲキクラゲと比べて4倍近くの差があります。

また、シロキクラゲにはカリウムが1400mgと3種類の中で最も多く含まれています。カリウムは身体から水分を排出しようとする働きがあるので、塩分を多く摂取する方やむくみが気になる方は積極的に摂りたい栄養素です。

その時々でより多く摂取したい栄養素を見極め、品種を使い分けても良いかもしれませんね。

きくらげを食べる際の注意点

きくらげを食べる際にはいくつか注意点があります。身体のためにと思って摂取したきくらげによって健康を損なわないよう、気をつけてください。

アレルギー発症の可能性

きくらげはアレルギー表示対象の27品目には入っていませんが、人によってはアレルギーを起こす方もいらっしゃいます。アレルギーは本来身体にとって無害であるはずのものを異物として捉えてしまい、拒否反応が出るものです。

過敏になる必要はありませんが、元々アレルギー体質の方は注意した方が良いかもしれません。

食べ過ぎや鮮度に注意

きくらげには食物繊維が豊富に含まれていることから、過剰摂取によりお腹がゆるくなったり、調子が悪くなったりする可能性も考えられます。やはり食べ過ぎは良い結果を招きませんので、適量を心がけて摂取するようにしましょう。

また、古くなったきくらげを食べた場合に食あたりを起こすことがあります。乾燥きくらげであればある程度の期間は保存が可能ですが、生きくらげの場合は賞味期限内に食べ切るようにしましょう。

きくらげに似た毒きのこに注意

きくらげに見た目が似ていて色の黒い、クロハナビラタケという毒きのこが存在します。専門的知識のない方がこれらを採取したことにより、毎年食中毒の事例が出ています。

食用として売られているきくらげを入手するのであれば問題ありませんが、山に自生しているきのこをむやみに採取することは危険ですのでやめましょう。

きくらげを使ったおすすめ料理3選

ここまで解説してきたきくらげの栄養素を料理に取り入れて、美味しく摂取することができるメニューをご紹介していきます。

きくらげと卵の中華炒め

きくらげに含まれるビタミンDは脂溶性ビタミンであることから、油と一緒に摂取するとより効率的に栄養を摂ることができます。調理法としては炒めるのがおすすめです。

また、鉄はたんぱく質とともに摂取することで吸収率がアップするため、卵などのたんぱく質源を入れることによって栄養を効率良く摂ることができます。

きくらげとほうれん草のナムル

蒸し茹でしたほうれん草ときくらげ、お好みでその他の野菜と一緒にごま油などで和えてナムルにしても、美味しく鉄を摂取できます。きくらげに含まれる鉄の吸収をほうれん草に含まれるビタミンCが助けてくれるため、組み合わせとしては相性抜群です。

また、ビタミンCは水で流れ出やすいため、ほうれん草を加熱する際は通常通り茹でるのではなく、水を少なくして蒸し茹でにすることがポイントです。

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台湾デザート豆花

甘いものがお好きな方には、白きくらげを使用したデザートはいかがでしょうか。豆乳ベースの豆花に火を通した白きくらげやクコの実をトッピング、黒糖などで作ったシロップと合わせていただきます。

骨の健康を気にしている方であれば、豆乳の代わりに牛乳を使用して杏仁風にすることで、カルシウムの吸収をきくらげのビタミンDが助けてくれます。

まとめ

今回はきくらげの栄養と品種による違い、きくらげを取り入れた料理についてご紹介してきました。あまり知ることの無かったきくらげのもつ栄養素や健康効果について、おわかりいただけたでしょうか?

さまざまな料理に取り入れることのできるきくらげを、ぜひ日常に活かして、楽しく健康的な生活を送ってくださいね。

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この記事を書いた人:浅野 蘭

この記事を書いた人:浅野 蘭この記事を書いた人:浅野 蘭

保有資格:管理栄養士
大学で栄養学を学んだ後、委託給食会社で給食管理・大量調理を経験。 その後、管理栄養士キャスティング事業に携わりながら、様々なクライアントの企画提案や商品開発、プロモーション等に関わる。
多方面の企業と接するうちに、一般消費者から求められる情報を分かりやすく届けることの重要性を再確認。 現在はその想いを実現するため、健康・美容の知見を高めながら、記事執筆、レシピ考案、企画運営等を行っている。

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