【栄養豊富な中国の野菜】チンゲン菜がもつ栄養とおすすめの食べ方を管理栄養士が解説

チンゲン菜

チンゲン菜は価格も安く、どの季節でも手に入りやすい馴染みのある食材ですね。

葉が柔らかいのでどんな料理にも使いやすく、彩りも良いため食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか。チンゲン菜は代表的な中国野菜ですが、中華料理はもちろん和食や洋食にも使いやすい野菜です。

今回はそんなチンゲン菜のもつビタミンやミネラルなど身体に嬉しい栄養素について、またおすすめの食べ方をご紹介します。

チンゲン菜に含まれる栄養素の効能とは

チンゲン菜はいろいろな栄養素を持っています。

その栄養素の働きによって高血圧症や高コレステロール血症などの脂質異常症の予防・改善効果も期待できます。また、むくみアンチエイジングが気になる方にもおすすめの食材といえます。

では、チンゲン菜のもつどんな栄養素が私たちの身体の悩を解決するのに効果が期待できるのでしょうか?

今回はチンゲン菜のもつ栄養素の中から6つの栄養素に注目して、どんな効果があるのか、どんな悩みに適しているのかをそれぞれ解説します。

β-カロテン

β(ベータ)-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに転換されるので「プロビタミンA」とも呼ばれています。β-カロテンには強い抗酸化作用があり、老化、がん、シワ、しみ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因となる活性酸素から私たちの細胞を守ってくれる働きがあります。

β-カロテンは、緑黄色野菜に豊富に含まれています。色の濃い野菜が「緑黄色野菜」と言われることが多いですが、厚生労働省が定めた基準としては「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600μg(マイクログラム)以上の野菜」となっています。

チンゲン菜の可食部100g中にはβ-カロテンは2000μgと豊富に含まれているので、人参や小松菜、かぼちゃと並ぶ立派な緑黄色野菜です。

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンを作るのに必要な栄養素です。また、ビタミンCにもビタミンAと同様に抗酸化作用があり、体内で活性酸素を消去して細胞を保護する働きがあります。

抗酸化作用による心臓血管系の病気の予防効果、肌のメラニン色素の生成を抑えて日焼けを防ぐ作用や、病気に対する抵抗力を強める働きも期待できます。

喫煙をされる方は活性酸素が多く発生するためビタミンCの必要性が高く、まずは禁煙が第一優先ですが、推奨量以上にビタミンCをしっかり摂ることをおすすめします。

日本人の成人1日あたりのビタミンC推奨量は100mgとなっており、チンゲン菜は100g中に24mgのビタミンCを含んでいます。

鉄は特に女性に不足しがちな栄養素です。不足すると貧血による立ちくらみや疲れやすさなどの症状が表れやすくなります。50〜69歳女性の鉄の推奨量は、月経のある方で10.5mg、月経のない方で6.5mgです。

鉄がレバーに多く含まれることは有名ですが、「国民健康・栄養調査」では、日本人は野菜や豆類、穀類などの植物性食品から摂取する割合が多いことがわかっています。チンゲン菜の可食部100g中にも1.1mgの鉄が含まれています。

鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、植物性食品から摂取できる非ヘム鉄は、動物性食品に含まれるヘム鉄に比べると吸収率が低いという特徴があります。

非ヘム鉄の吸収率を高めるポイントは、肉や魚などの動物性食品や、ビタミンCと一緒に摂ることですが、チンゲン菜自体にビタミンCが豊富に含まれているので、効率よく鉄を摂取できるのが嬉しいですね。

カリウム

高血圧症は日本人のおよそ3人に1人と言われる国民病ですが、高血圧対策には減塩と一緒に「カリウムの摂取を増やすこと」も大切です。

カリウムにはナトリウム(主に食塩)を体の外に出してくれる働きがあるので、高血圧やむくみの予防・改善が期待できるのです。

日本の成人女性の1日の推奨量は現在の摂取量を考慮して2600mgとなっていますが、世界保健機関(WHO)が推奨する摂取量はさらに多く、日本人が意識して摂取したい栄養素の一つと言えます。

カリウムはいろいろな食材に含まれており、特に果物や野菜、いも類など生鮮食品に多く含まれています。

チンゲン菜の可食部100g中には260mgのカリウムが含まれています。

カルシウム

カルシウムは骨や歯の材料です。不足した状態が続くと骨密度が低くなり、特に閉経後の女性では骨粗鬆症が起こりやすくなるのが心配ですよね。また、カルシウム不足は高血圧動脈硬化を招くこともあります。

成人女性の1日のカルシウムの推奨量は650mgで、チンゲン菜の可食部100g中には100mgのカルシウムが含まれています。

カルシウムは吸収率が30%程度と低く、効率的に摂るには吸収を促進するビタミンDと一緒に摂ることや、吸収率の良い牛乳などの乳製品を意識して摂ることが推奨されています。

ただ、乳製品が苦手な方、血中コレステロールの値が気になる方はカルシウムを多く含む海藻、豆類、野菜などの食品を日々の食事に満遍なく取り入れるようにしましょう。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/e-ヘルスネット「緑黄色野菜」
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考:厚生労働省/平成 30 年 国民健康・栄養調査結果

チンゲン菜に含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

チンゲン菜

ビタミン、ミネラル、食物繊維などいろいろな栄養素を含んでいるチンゲン菜ですが、調理方法次第ではせっかくの栄養素が壊れたり流れ出たりしてしまうことも・・・・・・。

では、それぞれの栄養素の特徴を意識したときに、どんな調理のポイントがあるのでしょうか。ここでは栄養素を効率よく摂るための3つの調理方法について解説していきます。

チンゲン菜は油で炒めると◎

ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」があることを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

チンゲン菜に豊富に含まれるβ-カロテンは油に溶けやすい脂溶性のビタミンです。

油を使った調理のほうが吸収率がアップするので、炒め物などの油を使う料理はもちろん、揚げ物やドレッシングと一緒に食べることで、効率よくβ-カロテンを摂取できます。茹でるときに少量の油を加えるなど、一工夫するのも良いですね。

チンゲン菜は蒸し料理や電子レンジ調理も◎

ビタミンCやカリウムなどの水溶性ビタミンやミネラルは水に溶けやすい性質を持っています。特にビタミンCは加熱調理により50%程度に減少することから、調理によって最も減少しやすいビタミンとも言われます。

下ゆでなどをすると茹で汁に水溶性の栄養素が流出してしまいます。約80%を残すことができる「蒸し料理」や「電子レンジ加熱」にすると、「茹でる・煮る」よりも水溶性のビタミンやミネラルの損失を防ぐことができます。

チンゲン菜は汁物にも◎

水に溶け出しやすい水溶性の栄養素を無駄なく摂るには、味噌汁などの汁物に入れて汁ごと飲むのもおすすめです。水に溶け出した栄養素も丸ごと摂取することができます。

また、純粋な汁物の他にも、汁ごと食べられるお鍋やシチューなどは栄養素を余すことなく摂取できるのでおすすめです。

同様に煮汁が具材に染み込む煮物も水溶性の栄養素を摂るのにぴったりな調理法です。

参考:国立健康・栄養研究所/「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンについて」

チンゲン菜を使ったおすすめ料理3選

チンゲン菜

ここまでは、チンゲン菜は身体に嬉しいいろいろな栄養素を持っていること、栄養素にはそれぞれ特徴があり、適した調理方法があることをご紹介してきました。

チンゲン菜は普段から手に入れやすい食材ですので、日々の食事で上手に取り入れて身体を内側から整えていきたいものですね。ここからはチンゲン菜のもつ栄養素を生かすレシピと調理方法のコツについてご紹介します。

チンゲン菜の炒め物

チンゲン菜に豊富に含まれるβ-カロテンは脂溶性のビタミンです。β-カロテンの吸収率を高めるためには加熱調理が適しており、油との相性が良いので、炒め物にはぴったりです。アクが少ないのでそのまま炒めても美味しくいただけるのが嬉しいですね。

牛肉や豚肉などの動物性たんぱく質源と一緒に炒めることで筋肉の材料となるたんぱく質を補うことができ、非ヘム鉄の吸収も高めることができますので、栄養のバランスも整えやすくなります。

チンゲン菜と挽き肉のスープ

チンゲン菜の栄養はスープでも効率よく摂ることができます。

鍋にごま油を熱して挽き肉を炒め、火が通ったら食べやすい大きさに切ったチンゲン菜を加えてさらに炒めます。だし汁と酒を加えてひと煮立ちさせ、塩・こしょうで味をととのえればできあがりです。

始めに油で炒めることで脂溶性のビタミンであるβ-カロテン、お肉を加えることで鉄の吸収率を上げ、スープごと飲むことで水に溶けやすいビタミンCやカリウムを無駄なく摂ることができます。

チンゲン菜とツナのレンジ蒸し

アクの少ないチンゲン菜は下ゆでをする必要がなく、電子レンジでの加熱調理にも向いています。保存食としても扱いやすい「ツナ缶(シーチキン)」と一緒にレンジ蒸しにしてみませんか?

食べやすい大きさにカットしたチンゲン菜とツナを耐熱容器に入れ、ラップをかけて2〜3分電子レンジ加熱し、ごま油と中華だしで味付けすると簡単に一品ができあがります。

ツナには油も含まれているので、脂溶性ビタミンのβ-カロテンも効率よく吸収することができますね。

まとめ

チンゲン菜

チンゲン菜は栄養価が高く、価格も安定しているので、普段からたっぷり取り入れやすい野菜です。中国野菜ですが、中華風の味付けだけでなく、味噌汁などの和食やクリーム煮などの洋食ともよく合います。

ぜひ、チンゲン菜を毎日のお食事に取り入れてみてくださいね。

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この記事を書いた人:高城紗織

この記事を書いた人:高城紗織この記事を書いた人:高城紗織

保有資格:管理栄養士・フードスペシャリスト
大学を卒業後、管理栄養士養成課程の大学助手として勤務。その後、地方公務員として18ヶ所の保育園給食運営に従事し、献立作成や食育・食物アレルギー対応などに携わる。
現在はフリーランスとして活動し、栄養カウンセリングや食・栄養コラムの執筆、レシピ提供を行っている。
ダイエット栄養指導、糖尿病重症化予防のための栄養指導、在宅高齢者向け訪問型健康・栄養相談、ビジネスマン向けパフォーマンスアップ食事指導などこれまでの栄養指導実績は延べ10000件以上。
Twitter:https://twitter.com/saotksr330 
Instagram:https://www.instagram.com/saori_nutritionniste/  

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