【あの匂いが栄養たっぷり】ニラがもつ栄養とおすすめの料理をご紹介
特徴的な強い香りを持ち、餃子や中華炒めに利用されることの多いニラ。料理の主役として、というよりかは、名脇役として深みを持たせてくれる野菜のイメージをもたれている方が多いと思います。
実はニラには、その香りによるアクセントの効果以上に豊富な栄養素が含まれています。
今回は、そんなニラの知られざる栄養効果について、ご紹介していきたいと思います。
目次
ニラに含まれる栄養素の効能とは
ニラには、その香りも含め多くの栄養素やポリフェノールなどの成分を含み、その栄養素は私たちに嬉しい健康効果をもたらしてくれます。
特にニラには根に近い白い部分に独特のにおいの基となる成分が含まれており、食欲増進に加えて、栄養の吸収促進や抗菌作用を持っています。
葉の部分にはビタミンが数種類含まれており、主に抗酸化作用を期待することができます。このような豊富なニラに含まれる豊富な栄養素につどのような嬉しい効果があるのかを詳しくご紹介したいと思います。
アリシン
ニラの独特のにおいは、にんにくと同じ「アリシン」という成分を含んでいます。このアリシンは通常、水溶性の「アリイン」という状態で細胞内に守られていますが、細胞を細かく切ったりつぶしたりして壊すことで、酵素と反応し脂溶性のアリシンに変わります。
このアリシンに変化することで初めてにおいを発するようになります。
アリシンは、単なるにおい成分ではなく栄養効果があることがわかっています。まず、アリシンは私たちのエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1との相性がとても良く、ビタミンB1を小腸で吸収されやすい形に変えます。
また、アリシンはたんぱく質と強い反応性を示し、細菌と結合することで殺菌作用があると言われています。
さらに、加熱などの調理を行うと同じアリシンでも形が変わり、体内の毒を尿として排出しやすくするための働きを活性化することがわかっており、解毒作用の強化が期待できます。
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ビタミンA
色の濃い野菜であるニラにはビタミンが多く含まれており、その一つとして脂溶性のビタミンAも豊富です。ビタミンAは眼の正常な作用に欠かせないビタミンとして日々必要とされています。
ビタミンAはそれ以外にも、体内で発生する活性酸素を除去する「抗酸化作用」も持ち合わせています。このビタミンAは他に抗酸化作用をもつビタミンC・ビタミンEと合わせて、通称「ビタミンACE(ビタミンエース)」と呼ばれます。
この抗酸化作用によって細胞はいきいきとした状態を長く保つことができます。ビタミンAはニラ一束につき50~74歳女性の1日に必要とされる量(500μgRAE)の約1/2の量(276μgRAE)を含んでいます。
ビタミンK
ビタミンKは主に、血液の凝固を担っており、出血が起こった際に、素早く止めるために必要なビタミンです。
さらに近年、ビタミンKの新たな2つの機能が注目されています。一つ目はビタミンKを長期に摂取することで血管の弾性を維持することができたと報告されたことによって、動脈硬化を予防することが期待されています。
二つ目は、カルシウムを摂取することだけでは不十分な骨粗しょう症の予防において、ビタミンKを摂取することで骨の材料の一つであるコラーゲンの生成を促し、骨の強度を高める効果を期待することができることが報告されています。
ニラには1束あたり私たちが1日分に必要なビタミンK量(150μg)とほぼ同じ量(171μg)を摂取することが可能です。
ビタミンE
ニラには先ほどご紹介した3つの抗酸化作用を持つビタミンの一つである、ビタミンEも含まれています。ビタミンEはビタミンAと同じく、健康な細胞を保つために必須となる脂溶性のビタミンです。
ビタミンEを十分に摂取していくことで、体内で日々発生する活性酸素による老化やがん化のリスクから私たちの細胞を守ったり、酸化してしまったものを還元したりする効果があります。
特に赤血球の細胞膜やコレステロールを酸化から守ることが分かっており、それによって動脈硬化の予防に効果があると言われています。
身体を酸化から守り、健康な細胞を作っていくにはビタミンEは欠かせないといえます。
ニラには1束を摂取すると、1食に必要なビタミンE量の目安量(約2.2mg)とほぼ同じ程度の量(2.4mg)が含まれています。
参考:日本薬学会 環境・衛生部会/環境・衛生薬学トピックス「ニンニクと健康」
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考文献:鈴木啓章「ビタミンKの健康栄養機能に関する最近の知見」オレオサイエンス,Vol.14,No.12,p.555-561(2014)
ニラに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには
これまでご紹介した通り、さまざまなビタミンや健康に良い成分を含んでいるニラですが、食べ方や工夫によっては効率よく栄養素を摂取する方法があります。
ニラの特徴を押さえてちょっとした調理の工夫をすることで、ニラの良い所をまるごと取り入れていきましょう。次に、ニラのもつ栄養成分を効率的に摂取するポイントをご紹介したいと思います。
根本は細かくみじん切り、葉はざく切りで素早く食べる!
ニラの特徴的なにおいの成分であるアリシンは、ニラの白い根本に多く含まれています。アリシンは細胞が壊されて、酸素に触れることで効果を発揮する成分です。そのため、アリシンのパワーを最大限に発揮するには、根本は細かくみじん切りが良いでしょう。
また、色の濃い葉の上部には、抗酸化作用を持つビタミンのビタミンACEが含まれています。特にビタミンCは壊れやすく、水溶性のため切り口から流れ出てしまうので可能な限りざく切りで細かく切ることを避けましょう。
ビタミンB1・脂質と相性◎!
ニラに含まれるにおい成分のアリシンはビタミンB1と相性が抜群です。
アリシンはビタミンB1(チアミン)と結合し、アリチアミンに変換します。これによって、通常のビタミンB1(チアミン)と比較して、腸からの吸収が向上します。ビタミンB1を豊富に含んでいる豚肉はニラと一緒に食べる事で効率よくビタミンB1を吸収することができます。
さらに、ニラの根本を細かく切ることで細胞に守られたアリシンは酸素に触れて活性を得ます。切り方にも工夫をし、細かく切って空気に少し触れさせてから調理を行うと、アリシンの栄養効果をより得ることができます。
参考文献:藤原元典「アリチアミンの発見」日本ビタミン学会,Vol. 6,p.857-862(1953)
ニラを使ったおすすめ料理2選
このように、多くの栄養素を含んでいるニラですが、食べ方やちょっとした調理の工夫でもっと効果的にこの栄養素を摂取する方法があります。ニラを使った料理として有名なレバニラも実はとても相性の良い材料同士であり、栄養効果を効率よく得ることができます。
次は、このレバニラのように、美味しく、効率よくニラの栄養効果を最大限に摂取できる簡単なポイントをご紹介したいと思います。
ニラを主役にした、中華風お浸し
お浸しには、ほうれん草や小松菜などの青菜類を使うことが多いですが、ニラを主役としたお浸しもおすすめです。で美味しく召し上がれますが、ここにすりごまをかけるとより風味が増します。
ニラの葉に含まれるビタミンは熱に弱く、長時間の加熱調理によって壊れてしまいます。可能な限り加熱による損失を少なくするには電子レンジでの時短調理を活用すると良いでしょう。
また、ごま油を使うことでニラに含まれる脂溶性ビタミンのビタミンA・Eの吸収が良くなります。料理の脇役になりやすいニラをお浸しにして、たくさん食べましょう。
レバニラ炒め
ニラを使った料理の一つとして、レバニラ炒めはよく知られています。レバーには鉄とビタミンが豊富に含まれています。ニラに含まれているビタミンCにはレバーに含まれる鉄の吸収を向上させる働きがあります。
さらに、レバーにはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1も豊富に含まれており、ニラのにおい成分であるアリシンがこのビタミンB1を吸収の良いアリチアミンに変換させることで吸収率を向上させてくれます。
このように、レバーとニラはとても相性がよく、この一品で身体を細菌から守ったり、代謝を向上させて疲れにくく元気がでたりする効果を期待できます。
さらに、レバニラ炒めに加熱調理に強いピーマンを加えると、炒め調理で失われがちなニラのビタミンを補うことができます。たまねぎはニラと同じくアリシンを含んでいますので、高血圧予防の効果を強化することができます。アレンジの一つとして組み合わせてみましょう。
まとめ
料理の香り付けのアクセントとして登場するニラですが、ニラ自身の豊富な栄養素やその効果について注目されることは少なかった方も多いのではないでしょうか。
また、その食べる部分によっても栄養効果が異なることもニラの魅力です。炒め物や粉もののアクセントだけでなく、簡単にお浸しとしても取り入れやすい食材ですので、ぜひ本日の献立にニラ料理を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ニラを選ぶ際は、ピンっとまっすぐに伸びる元気なものをお手にとってくださいね。
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