秋の味覚!栗の栄養やカロリー、甘さが増す保存方法を管理栄養士が解説

秋の味覚の代表格である栗。チクチクと刺さるとげが密集した「イガ」に包まれ、木に成る木の実です。山をよく見てみると栗の木が自然に生えていたり、庭の木として植えている方も。近くに栗の木がある方は毎年秋になると栗拾いをするという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

鬼皮が厚くて剥きづらいのが難点ですが、ホクホクした食感と上品な甘みにはファンも多いです。

今回は栗に焦点を当て、栗が持つ栄養素とその効果や、栗の栄養素を最大限に取り入れる食べ方などをお伝えします。

栗のもつ栄養素と効果とは

栗は100gあたり164kcal。炭水化物が36.9g、たんぱく質を2.8g、脂質を0.5g含みエネルギーの素となりやすい食品です。

他にも、栗にはビタミンB群が多く含まれています。

ビタミンB群は「代謝ビタミン」とも呼ばれ、食品からエネルギーを作り出す際の化学反応に必要不可欠なビタミンです。

また、ビタミンB群は疲れを感じる原因である乳酸を代謝する時にも必要です。そのため、栗は運動習慣がある方や疲れやすいと感じる方には特におすすめしたい食材となっています。

炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1

栗100g中に0.21㎎のビタミンB1が含まれています。

ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。また、アルコールの代謝にもかかわるので飲酒習慣がある方には積極的に摂取していただきたい栄養素でもあります。

1日に推奨されている摂取量は年齢や性別で変わりますが、成人は0.9g~1.4gを食事から摂取すると良いとされています。

脂質をエネルギーに変えるビタミンB2

栗100g中に0.07㎎のビタミンB2が含まれています

ビタミンB2は主に脂質の代謝に関わる栄養素です。また、皮膚や粘膜を健康に保つために必要な栄養素です。ビタミンB2が不足すると角膜炎、口内炎、口角炎などの症状が出る場合もあります。また、肝臓や脳の働きにも関与しています。

成人は1.1g~1.6gを1日に摂取することを推奨されています。

たんぱく質と脂質代謝に関わるタミンB6

栗100g中にはビタミンB6が0.27㎎含まれています。

ビタミンB6はたんぱく質や脂質の代謝に関わり、体のたんぱく質の合成や、免疫の機能を正常化、赤血球のヘモグロビンを作るために必要な栄養素です。不足すると食欲不振や下痢、血糖値を下げるインスリンの分泌低下を引き起こします。

成人は1日に1・2㎎のビタミンB6 摂取が推奨されています。

貧血予防に!葉酸

栗は100g中に74μgの葉酸を含みます。

葉酸は正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。不足すると巨赤芽球性貧血となります。これは、赤血球が未熟なまま血液中に放出されてしまうことで、本来赤血球が行う酸素の運搬に不備が生じるためです。鉄を意識するだけでなく、葉酸やほかの栄養素もバランスよく摂取することで貧血を防ぐことができます。

葉酸を含むビタミンB群は水溶性の栄養素です。甘露煮や渋皮煮にはビタミンB群が半分以下しか残りません。焼き栗や揚げ繰りなど、水を使わない調理法がおすすめです。

 栗は糖質とカロリーが高いの?

栗は100g中36.9gが炭水化物で、食物繊維が4.2g。炭水化物から食物繊維の量を引いた数字、32.7gが糖質です。炊いた米(白飯)の糖質量は100gあたり約37gであることから、糖質は高いといえます。

栗のカロリーは100gあたり164kcal。これも白飯(168kcal)とほぼ同じです。しかし白飯と違う点は、栗はビタミン類を多く含むことです。また、たんぱく質と脂質も少量含むことから腹持ちも良く、間食として食べる分には良い食品といえます。

もちろん食べすぎはカロリー過多につながるので一度に食べる量は100g(7粒前後)を目安にしましょう。

また、栗の甘露煮は砂糖で煮込まれているのでカロリーが238kcalと高くなり、栄養素が加工中に流出してしまうためビタミン類が半分以下になってしまいます。甘く加工されている栗の場合は1粒を楽しみ程度に食べるようにしてください。

甘栗はというと、中国産の甘栗は日本の栗と品種が違い、栄養価も違います。100gあたり222kcalでたんぱく質も脂質も炭水化物も多め。他の栄養素も日本の栗よりも多く、鉄の含有量は100gあたり2gもあるので小腹が空いたときのおやつとしておすすめです。

栗の渋皮にも栄養はあるの?

栗は一番外側をイガで囲まれており、イガを破ると栗の実が入っています。栗の実には固い鬼皮と、実を覆うようにして渋皮がついています。

渋皮という名前の通り、渋くてそのままでは食べられないのですが、じつはポリフェノールや食物繊維が豊富なので食べた方が健康のためには良いのです。ポリフェノールは抗酸化力を持つので血管を若々しく保つために働き、食物繊維は腸内環境を整える働きを持ちます。

栗の渋皮の渋さは油と反応して水に溶けなくなり、口の中で渋みを感じなくなる特徴があります。その特徴を利用し、栗の鬼皮だけを剥いた後170℃の油で4分ほど素揚げすると「栗の渋皮揚げ」として食べる事ができます。お好みで塩をかければフライドポテトのように食べられますよ。

旬とおいしい栗の選び方

栗の旬は秋。地域によって差はありますが、9月~11月ごろまで収穫することが可能です。

良い栗はつやがあって実がふっくらしているのが特徴です。やせた栗や皮がしなびてしている栗は、中身があまり詰まっていなかったり、収穫してから日が経っている栗です。

スーパーや直売所で購入する際は栗に穴が開いていないかどうかもチェックするようにしましょう。穴が開いていると、中に虫がいる可能性が大きいです。

しかし、穴が開いていない栗でも鬼皮を剥くと中に虫がいることも。栗の花が咲いている時期に虫が卵を産み付け、幼虫が実の中にもぐって栗と一緒に成長してしまった結果です。完全に虫がつかないようにするのは難しいので、もし虫が入っている栗に遭遇したらハズレだと思って捨てましょう。

栗のおいしさを保つ保存方法

栗は購入後どのように保存するのが最適がご存知でしょうか?常温での保存はおすすめしませんが、冷蔵での保存できるのはもちろん、冷凍もできますよ。

常温保存の場合

栗は常温保存には向きません。木の実は【種】なので温度が高いと芽を出そうと実のエネルギーを使って成長し、実が痩せていってしまうためです。すぐに食べる場合は1日くらいは常温で置いておいてもかまいませんが、なるべく冷蔵保存するようにしましょう。

冷蔵保存の場合

冷蔵の場合は皮付きのまま冷蔵庫のチルドルームで保存するのがおすすめです。生の皮つきの栗を新聞紙で包み、密閉袋に入れて封をするだけで約1か月は日持ちします。

冷蔵することで保存できるだけでなく、栗の糖分を増やすことができます。甘い栗が好きな場合、冷蔵してから2週間以降に食べるのがおすすめです。

冷凍保存の場合

栗の品質を長く保つためには冷凍保存がおすすめ。解凍後には鬼皮が柔らかくなって皮を剥きやすくもなるのです。栗を生のまま、表面の汚れを付近などで軽くふき取り、新聞紙で一度に使う量ごとに包んでから密閉袋に入れて冷凍しましょう。半年ほど美味しく食べられます。

使う際は30分程常温に出しておけば生栗と同じように使えます。甘露煮や渋皮煮にしてから冷凍しても良いです。

まとめ

栗に含まれている栄養素や、その働き、おすすめの保存方法まで様々お伝えしました。栗は栄養価が豊富な木の実だということがわかりましたね。

栗は冷蔵保存すると甘みが強くなるので、ぜひある程度熟成させてから食べてみてください。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

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