チーズの栄養とその効果とは?種類ごとの違いも管理栄養士が解説!

そのまま食べたり、溶かして料理にかけたりと、いろいろな方法で食べ方を楽しめるチーズは独特の風味がクセになる美味しさですよね。乳製品はたんぱく質源となる栄養価の高い食品でもあります。

ここではチーズにはどのような栄養が含まれ、どんな効果が期待できるのかを解説していきます。またチーズの種類による味や食感、栄養価の違いについてもみていきましょう。

チーズのもつ栄養素と効能とは

チーズは牛乳から作られる食品で、たんぱく質を多く含んでいます。たんぱく質は筋肉や血液、臓器など身体を構成する組織の成分となる重要な栄養素です。加齢とともに筋肉量は低下していきますが、健康的な身体を維持するために、たんぱく質はとても重要とされています。

また、チーズには骨の健康維持に欠かせないカルシウムも豊富です。カルシウムは子供の場合は骨量を増やすなど骨の成長に必要ですが、成人以降では骨量を増やすことは難しいので減少を抑制するという部分で役立ちます。

チーズはたんぱく質やミネラルを多く含み、加齢とともに低下しやすい筋肉量や骨量の減少を抑える効果があるので、いつまでも若々しい体をキープしたい方にはおすすめの食品だといえます。

たんぱく質

たんぱく質は約20種類のアミノ酸から構成される高分子化合物です。最近人気のプロテインもたんぱく質を英語に訳したもので、同じ意味を指しています。たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、血液など身体の組織の全てを作っています。またホルモンや酵素などの成分ともなる重要な栄養素です。

血中のヘモグロビンもたんぱく質からできており、酸素を運搬するという重要な働きがあります。また脂質を運搬するのはリポたんぱく質と呼ばれるもので、たんぱく質には血液やリンパ液などの浸透圧を調整する働きを持ちます。

カルシウム

カルシウムは成人の体内に約1キロ存在しています。そのうち99%は骨や歯などの硬い組織に存在し体を支える働きをしています。

カルシウムの働きは骨の構成成分となるだけではなく、細胞や血液中に存在し筋肉の収縮を正常に保つ働きなどもあります。また神経刺激にも関わっており、不足するとイライラや神経過敏などが出ることもあります。

女性ホルモンであるエストロゲンは、カルシウムの吸収率を高めて骨量を増加させる働きがあります。女性は閉経後にエストロゲンが減少し骨量が急速に減って骨粗しょう症が現れやすくなるのですが、更年期以降に骨粗しょう症がみられるようになるのはこういった理由からです。

ビタミンB12

ビタミンB12は中心部に「コバルト」というミネラルを持つ化合物です。細菌が合成しているため植物には存在していません。食べたビタミンB12は身体のなかで糖たんぱく質と結合し、小腸から吸収されます。

ビタミンB12は葉酸とともにたんぱく質やアミノ酸の代謝で補酵素として働きます。そのため、たんぱく質を多く摂取する場合はビタミンB12の需要も増すということになります。

ビタミンB12が不足すると造血機能が損なわれ、「悪性貧血」という貧血の一種が起こる場合があります。悪性貧血の症状には舌炎、下痢、めまい、動悸、食欲不振などがあり、食事量の低下にもつながるリスクがあります。

チーズの種類と栄養素の違い

チーズといってもさまざまな種類があり、私たちが家庭でよく食べているのは「プロセスチーズ」と呼ばれるものです。海外でよく食べられているのはナチュラルチーズで、プロセスチーズはナチュラルチーズに乳化剤などを入れて加工して作られます。

プロセスチーズ

ナチュラルチーズに乳化剤を加え加熱して溶かし成形したもの。保存中に熟成が進むことがないので、ナチュラルチーズに比べて保存性に優れています。また嗜好的にも味に癖がないので食べやすく、日本の家庭ではプロセスチーズを一般的なものとして食べられることが多いです。

ナチュラルチーズにはいろいろな種類があるので一括りにして比較するのは難しいですが、プロセスチーズはたんぱく質やビタミンなどの栄養素をみてもチーズの中では平均的な栄養構成となっています。

クリームチーズ

お菓子作りやカナッペ、サラダなどに使われることの多いクリームチーズは、バターのようにナイフですくうことができるような柔らかいチーズです。

クリームチーズは水分が多く含まれているのが特徴で、たんぱく質は少なく脂質は多くなっています。チーズに多く含まれている栄養素の1つであるカルシウムも、クリームチーズは他のチーズと比べて少なめです。

カマンベールチーズ

表面が白カビで覆われており、外側と中の質感の違いが特徴です。クリーミーで優しい味わいを持ち、熟成すると濃厚な味に変化していきます。カマンベールチーズは味にもクセがなく、誰にでも食べやすい人気のチーズの1つです。

カロリーはプロセスチーズと同程度であり、たんぱく質の含有量はやや少なめでカルシウムは平均的です。

カッテージチーズチーズ

ぽろぽろとした木綿豆腐のような見た目が特徴のカッテージチーズは、程よい酸味でクセがなく軽い味わいです。カロリーがとても少なく、たんぱく質を比較的多く含んでいるためダイエット中の食事にも用いられることがあります。

カルシウムは、他のナチュラルチーズやプロセスチーズと比べるとぐんと落ちてしまいます。エネルギーコントロールをしたいときにはおすすめですが、骨の健康維持などを目的とした場合は他のチーズの方が向いているでしょう。

チェダーチーズ

チェダーチーズは黄色やオレンジ等の濃い色合いを持つハードタイプのチーズです。組織が硬く緻密で砕けるような食感を持っています。爽やかな酸味がありますが、熟成が進んでいくと、だんだんコクが増す特徴があります。

チェダーチーズは水分が少なくカロリーは高めです。全体的に凝縮されているのでたんぱく質も多く、ナチュラルチーズのなかではカルシウムもトップクラスです。

パルメザンチーズ

日本では「粉チーズ」として親しまれており、正式名は「パルミジャーノ・レッジャーノ」といいます。細かく削った状態のものが知られていますが、もともとはとても分厚く硬いチーズです。しっとりとした食感でコクがあり、噛むと旨味を感じるようになります。

パルメザンチーズはカロリーがとても高くたんぱく質も多く含まれていますが、一度に食べる量が少なければそれほどカロリーを気にする必要はありません。

ブルーチーズ

表面に白カビ、なかには青カビがまばらに入っているのかブルーチーズの特徴です。味にクセがあるので好き嫌いが分かれやすく、まろやかでコクがありもっちりとした歯ごたえがあります。

ブルーチーズは脂質が多めでたんぱく質やカルシウムは平均的な量が含まれています。パンにのせてトーストしたりじゃがいもと合わせたりする食べ方が定番で、ワインのおつまみとしても食べられることが多いお洒落なチーズです。

チーズは太るって本当?

チーズは脂質が多く含まれる食品なので、太ると敬遠している方もいるかもしれません。しかし、どんな食品も食べ過ぎればかえって身体に悪影響を及ぼす可能性はあり、それはチーズも同じです。

チーズはメイン料理として食べることは少なく、サラダのトッピングに使ったりパンにのせたりして食べている程度であればチーズが原因で太るということはほぼあり得ません。チーズが原因で太ることがあるのなら、大量のチーズを毎日食べ続けるというような状況が考えられますが、当てはまる人はほとんどいないでしょう。

プロセスチーズの場合は、100gで339kcalとなっています。たんぱく質の含有量が牛乳1杯分にあたるチーズ30g程度を目安として食べた場合、カロリーは100kcal程度に抑えることができ、カルシウムは1日に必要な量の30%も摂ることができます。またチーズに含まれているビタミンB12は代謝をサポートする働きもあるので、チーズは食べながら代謝を促す優秀な食品ともいえます。

ダイエットをしている人は、カロリーの低いカッテージチーズがおすすめです。脂質の含有量が少ないのでカロリーを抑えることができます。好きなものは無理をしてやめず、代わりになるものを選ぶなど工夫をしながら楽しみましょう。

チーズを使ったおすすめ料理3選

種類を変えて楽しむこともできるチーズは、たんぱく質やカルシウムなどの栄養補給にも適した食材です。チーズ好きならついつい食べ過ぎてしまいそうですが、食べ過ぎに気を付けながら楽しんでとり入れていきたいですね。ここではチーズを使ったおすすめの料理を3つ紹介していきます。

じゃが芋のチーズ焼き

常備野菜として定番のじゃが芋は、あと一品おかずがほしいときにも大活躍。じゃがいもを薄切りにしてフライパンで両面を焼きピザ用のチーズを加えてカリカリに仕上げた料理です。

じゃがいもに火が通ったのを確認してからチーズを加えて表面に絡めるように焼き上げるのが成功のポイント。おつまみのように軽く食べられるので、食欲がない時でもパクパク美味しく食べられるかもしれません。じゃがいもは糖質補給になる食材なので、たんぱく質と合わせることでエネルギー産生栄養素の摂取比率がよくなります。

チーズ入りだし巻き卵

だし巻き卵は和食のおかずとして家庭でも大活躍です。シンプルに卵だけで仕上げるのもよいですが、巻くときに中心に具材を入れると味や見た目に変化をつけることができます。

初めに卵を敷いたときに上にチーズを重ねて、外側に卵を巻きながら焼き上げるだけ。いつもと違う仕上がりのだし巻き卵の完成です。少し洋風に仕上げたい時や、イベントやパーティー時のおもてなし料理としても活躍してくれます。

チーズトースト

朝はパン派という方も多いのではないでしょうか。パンはジャムやクリームなどの甘い物と一緒に食べるよりも、チーズを使っておかず風に仕上げた方が糖質は少なくたんぱく質が摂れるので栄養面ではよくなります。

チーズトーストは食パンにチーズをのせて焼き上げるだけですが、ガーリックを乗せたりハーブを乗せたりと風味をアレンジして変えることができます。また、食パンを小さく切って器に盛り、野菜やきのこなどと合わせてチーズをかけて焼けば豪華な一品料理の完成です。

まとめ

チーズはたんぱく質やカルシウムの補給におすすめの栄養価の高い食品です。その一方で脂質を多く含んでいるものもあるので、摂りすぎには注意したい一面もあります。

しかし、チーズにはたくさんの種類があり、自分の目的に合わせて選ぶことができるのもメリットです。自分の好みや使う目的などに合わせてチーズの種類を変えてとり入れてみましょう。

この記事を書いた人:片村 優美

この記事を書いた人:片村 優美この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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