家庭のミカタ!にんじんの持つ栄養とおすすめの料理を管理栄養士が解説!

にんじん

買い物に行けば必ず野菜コーナーに置いてあり、カレーやサラダなどさまざまな料理に彩りを添えてくれるにんじん。定番料理だけでなくお菓子やジュースの材料としても利用できるのですから、その万能性は特筆するべき点といえるでしょう。

生のまま食すのはもちろんのこと、煮る・焼く・揚げるなど、どのような調理法でもおいしく摂取することができる食材なので使用頻度も高いのではないでしょうか。

にんじんのもつ特徴はその万能性だけではありません。肌の健康維持のため必要不可欠な栄養素や、風邪予防に効果のある栄養素などが豊富に含まれており、特に女性にとっては進んで摂取したい健康野菜とされているのです。

今回はにんじんのもつ栄養素とその効能、どのように調理すれば効率的に栄養素を摂取できるのか、その食べ方を紹介します。

にんじんに含まれる栄養素の効能とは

にんじん

にんじんのもつ主な栄養素としてはβ-カロテン(ビタミンA)、カリウム、食物繊維などがあげられます。にんじんの英語名であるキャロットはカロテンに由来しており、その名の通りβ-カロテンが特に多く含まれていることが大きな特徴です。

β-カロテン含有量が多いとされている緑黄色野菜の中でも、にんじんは群を抜いています。そんなにんじんのもつ栄養素を効果・効能と合わせてみていきましよう。

にんじんはβ-カロテン(ビタミンA)の宝庫

にんじんに含まれている栄養素といえばβ-カロテンです。β-カロテンとはカロテノイドという色素の一種で、その中で最も多く植物や動物に存在する橙色の脂溶性色素です。

英語名のキャロットはカロテンに由来しており、その名の通りにんじんにはβ-カロテンが特に多く含まれています。にんじん100gにはβ-カロテンが7700μg含まれていて、緑黄色野菜であるかぼちゃでは3900μg、ほうれん草では5400μg含まれていることと比べても、その含有量は多いことがわかります。

β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるのでプロビタミンAとも呼ばれています。ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にし、視力の維持や免疫力の強化など健康を保つために重要な働きをする栄養素です。

また、カロテンには体内の活性酸素を減らす抗酸化作用があります。β-カロテンは抗酸化作用を発揮して動脈硬化や心筋梗塞の原因となる活性酸素の働きを防いでくれます。

皮にたくさん含まれているので、できれば皮ごと調理したものを食べたいですね。

高血圧やむくみ予防・改善してくれる「カリウム」

50歳以上の3人に2人は高血圧と言われている現在の日本。高血圧対策には減塩することと同時に「カリウムの摂取量を増やすこと」も大切です。

カリウムはナトリウム(塩分)を身体の外に出す働きがあり、高血圧やむくみの予防・改善に役立ちます。しかし、腎臓の病気がある人はカリウムの摂取の制限が必要な場合があるので必ず主治医に相談してください。

カリウムはさまざまな食材に含まれていますが、特に果物や野菜、いも類など生鮮食品に多く含まれています。100gあたりのにんじんには270mgのカリウムが含まれています。葉のついたにんじんではさらに510mgとカリウムの量が多くなります。

不足しがちな「食物繊維」が豊富

にんじんには「ペクチン」という食物繊維が多く含まれています。ペクチンなどの食物繊維は、整腸を促し、便秘解消に効果的なので、便秘で悩む方にとっては欠かせない栄養素です。

また、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きもあり、生活習慣病の予防、改善効果が期待できます。

食物繊維は日本人にとって不足しがちな栄養素で、1日あたり約2~4g不足していると言われています。100gのにんじんには2.7gの食物繊維が含まれているので、食卓に並ぶ料理のうちどれか一品ににんじんをプラスするだけでも、不足している分の食物繊維を補うことができます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考:厚生労働省/平成30年国民健康・栄養調査

にんじんに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

その色味が食卓に彩りを添え、食欲を掻きたてる緑黄色野菜の代表格、にんじん。生食はもちろん、煮る・焼く・揚げるなどさまざまな調理法で使用することができます。

ここまでにんじんにはさまざまな種類の栄養素が豊富に含まれていることをご紹介してきました。これらの栄養素は食べ方や調理方法によって失われることも、相乗効果が発揮されることもあります。

栄養素をまるごと逃さず摂取できるよう、食べる際のポイントを説明していきます。

油との相性抜群「油を使った料理」に

β-カロテンは脂溶性で油に溶けやすいので、揚げる、炒めるなどの油を使った調理法にすると効率よく摂取できます。

調理に油を使用する沖縄料理の「にんじんしりしり」はβ-カロテンを効率よく吸収できるメニューの一つです。またにんじんを茹でて温野菜にして良質なオイルやドレッシングをかけても油と一緒に摂取することができます。

にんじんをすりおろす

にんじんのカロテンはビタミンAに変換され、荒れた胃粘膜の修復・保護にも役立ちます。胃の調子が悪いときにはにんじんのすりおろしにしてみましょう。ただ、にんじんには「アスコルビナーゼ」というビタミンCを破壊する酵素が含まれています。

これはすりおろすと活動が活発になるので、ジュースにしたり、すりおろしたりする場合は食べる直前におろしてください。レモン汁を加える、加熱するなどの工夫でもビタミンCが奪われるのを防ぐことができます。

実はにんじんの葉にも栄養がたくさん

にんじんは主に根の部分を食べますが、葉にも栄養があります。しかも根の栄養価と比べてみると、ビタミンAは2倍以上、たんぱく質3倍、カルシウム5倍、そして脂質、鉄などの栄養素も葉の方が豊富に含まれています。

一般のスーパーなどではなかなか葉付きのにんじんは見かけませんが、有機野菜を取り扱っているお店などで購入した際には葉っぱごと使うようにしましょう。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)

にんじんを使ったおすすめ料理3選

にんじんに含まれる栄養素を無駄なく摂取する方法についてはわかりましたが、それでは実際にどんな料理にするとおいしく食べることができるのでしょうか。にんじんの栄養をたくさん摂取できる料理を3つ紹介します。

おかずの定番「にんじんの金平」

にんじん

β-カロテンは油と一緒に摂取することで吸収率がアップするのが特徴です。食材を細切りにして炒める金平は、油とよく絡むのでβ-カロテンの摂取にはもってこいの調理法です。

ごぼうやレンコンなど他の食材と一緒に調理するのも良いですが、にんじんのみの金平でも歯ごたえがあり、おいしく仕上がります。にんじんは皮の下に栄養があるので、よく洗って丸ごと使うことができる金平は、おかずの定番ではありますがおすすめですよ。

簡単に作れて栄養満点な「にんじんドレッシング」

にんじん

にんじんは普通に摂取するより油と酢を加えたドレッシングとして食べた方が、栄養が効率よく摂取でき、健康効果も増加します。サラダやお肉などにかけて食べることで「野菜が足りないな」というときにも手軽に摂取できるのでおすすめです。

冷蔵庫での保存は3~5日を目安にしてください。作り置きする場合はそれくらいの期間で食べきることができる量を作ると良いでしょう。

にんじんの葉っぱでつくる「かき揚げ」

にんじんの葉はかき揚げや炒め煮、和え物にして食べるのがおすすめです。苦味が苦手な方でもかき揚げにすると苦味が抑えられ、おいしく食べられます。油を使っているのでβ-カロテンの吸収率もアップします。香りが引き立ち、サクサク食感が楽しめる一品です。

また、他にもパセリの代わりとしてにんじんの葉っぱを乾燥させて料理の彩りに使ってみても便利です。もし葉っぱ付きのにんじんを手に入れたときは一度試してみてください。

まとめ

今回はにんじんの栄養や調理法についてご紹介しました。にんじんは皮膚や粘膜を丈夫にし、視力の維持や免疫力の強化など健康を保つために重要な働きをするβ-カロテンや、高血圧やむくみを予防してくれるカリウム、便秘解消に効果的な食物繊維を豊富に含んでいます。

彩りもよく普段から使っている方も多い家庭の味方である野菜、にんじん。せっかくですので効率的に栄養を摂取できる調理法で、日常使いをしてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:日下緑

この記事を書いた人:日下緑この記事を書いた人:日下緑

保有資格:管理栄養士 調理師
2010年管理栄養士過程を卒業後、給食委託会社で給食管理・大量調理を経験し2012年に調理師免許を取得。その後病院にて管理栄養士として勤務、日々生活習慣病の患者様と接している中で予防医療・食生活支援等の食育の必要性を実感。人生100年時代、健康で自分らしい生き方を歩むために「食の大切さ」を伝えていきたいと思いコラム執筆などに携わり、食と健康のサポートをしている。

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