キャベツに栄養がないってほんと?管理栄養士がキャベツのもつ栄養と調理法を解説

キャベツ

多くの家庭でとても馴染み深い野菜の一つであるキャベツ。みなさんのお家の冷蔵庫にも常にある野菜ではないでしょうか。では、みなさんはどんな理由でキャベツを購入されますか。

キャベツは、値段も安価で食卓の強い味方です。では、そんな使い勝手のよいキャベツの栄養効果について、考えたことはありますか。色の薄いキャベツや大根などの野菜は、栄養素があまり含まれていないのでは、と思われる方が多いのかもしれません。

しかし、そんなキャベツですが実はみなさんの健康に嬉しい栄養効果をもっています。そこで今回は、何気なく食べているキャベツをもっと食べたくなる、栄養効果についてご紹介したいと思います。

キャベツに含まれる栄養素の効能とは?

一年中お店に並ぶキャベツは、ケールやブロッコリー、カリフラワーなどと同様に、長年の品種改良を経たものです。品種改良を重ねた結果、さまざまな栄養素を豊富に含んだキャベツを一年中栽培することに成功し、多く流通できるようになりました。

そのような人の知恵と努力が詰まった優秀なキャベツの栄養素の中でも、今回はとくに豊富に含まれているビタミンについてご紹介します

ビタミンC

キャベツに含まれるビタミン類の中で、まずご紹介したいビタミンが「ビタミンC」です。

風邪の予防や美容に効果のあるビタミンの一つとして広く知られているビタミンCですが、その栄養効果はとても多岐にわたり、身体のあらゆる場所で重要な役割を担っています。

ビタミンCはコラーゲンの生成に必要なビタミンで、コラーゲンは肌だけでなく全身に含まれています。食事からの摂取が少ないとコラーゲンの生成が阻害されてしまいます。

すると細胞がもろくなり、ささいなことで細胞が壊れて骨折や出血をしてしまうようになります。皮膚がもろくなると感染症にもかかりやすくなるため、風邪の予防だけでなく全身を丈夫に保つためにビタミンCは欠かせません

また、ビタミンCはビタミンA・Eと合わせて抗酸化作用の強いビタミン、通称ビタミンACE(ビタミンエース)と呼ばれます。抗酸化作用とは、酸化(老化)から細胞を守ってくれる作用です。これによって細胞はいきいきとした状態を長く保つことができます。

ビタミンCが豊富なイメージのあるレモンですが、キャベツの葉2枚程度で、レモン2/3個分のビタミンCに相当します。また、ビタミンCの分布は葉よりも、芯の方が多いとされていますので普段芯を捨ててしまう方は芯まで食べるようにすると、より良いです。

参考文献:佐藤 守, 吉中 禮二「ビタミンCとコラーゲンの生成」日本農芸化学会誌,64-12,1850-1853(1990)

ビタミンK

キャベツに含まれるビタミンで、次に注目したいのが「ビタミンK」です。

ビタミンKはあまりなじみのない方も多いと思いますが、主な効果は血液の正常な凝固作用として知られています。けがをしたとき、このビタミンKを含むたんぱく質によって出血を止めることができます。しかし、ビタミンKの効果は止血だけではありません。

近年骨粗しょう症にも効果があることが研究によって明らかになってきました。骨は常に吸収(破壊)と形成を繰り替えしています。ビタミンKは骨の形成を促進し、逆に骨の吸収(破壊)を抑制する作用があると報告されています。

また、骨密度が十分であっても骨折が起こるという例が報告されていますが、その原因は骨の密度があっても質(強度)が弱いことが原因とされており、近年注目されています。

特に骨の状態が変化しやすい閉経後の女性に対して、継続的にビタミンKを投与したところ骨の強度が改善されたと報告されており、その理由は骨の質向上に欠かせないコラーゲンの形成を促進することが考えられるとされています。

キャベツにはビタミンKがとても豊富に含まれており、葉1枚程度で1日に必要なビタミンKの約2倍以上を摂取することができます。

参考文献:鈴木 啓章「ビタミンKの健康栄養機能に関する最近の知見」オレオサイエンス,14-12,555-561(2014)

ビタミンB6

キャベツに含まれるビタミン類の中には、栄養素の代謝に関わるビタミンも含まれています。キャベツに多く含まれるビタミンB6は食べ物から得た栄養素を活用するために必要なビタミンB群の中でも、特にたんぱく質の代謝に重要な役割を担っています。

食べ物から得たたんぱく質は一旦細かく分解されてさまざまな種類のアミノ酸となります。そこから全身で新たに必要とされている筋肉や皮膚、血液細胞を形成する際にこのビタミンB6が必要とされます。

体内で合成することも可能ですが、たんぱく質を多く摂取して活用しようとしたときにはより必要になるビタミンです。

キャベツの葉2枚程度で、1日に必要な約1/2のビタミンB6を摂取することができます。しかし、ビタミンB6は水に溶ける性質のため、一度にたくさん摂取しても尿として排出されるので、こまめに摂取することをおすすめします。

キャベツのもつ栄養成分を効率的に摂取するには

これまで、キャベツに含まれる栄養素について説明いたしましたが、実はその栄養効果を最大限に生かすにはちょっとしたコツが非常に重要になります。

知っていると知らないとではもったいない!キャベツの栄養効果を最大限に生かす方法をご紹介いたします。

切る前に洗う

キャベツに多く含まれる貴重なビタミンC、ビタミンB6ですが、その特徴の一つに水に溶けるという性質があります。そのためキャベツを調理する際に食べやすいサイズにカットすると思いますが、洗う前にカットしてしまうとその切り口からビタミンCはどんどん流れ出てしまいます。

さらにその切り口の面が大きければ大きいほど流れ出る量は増えてしまい、水につける時間が長いほどさらに減っていっていしまいます。ぜひ、キャベツを洗うのは葉を1枚1枚なるべく大きい状態で洗うようにしましょう。

くたくたより、シャキシャキ

ビタミンCの特徴の一つに、加熱に弱いというデリケートな性質もあります。そのため、調理の際に加熱時間が長ければ長いほど、そのサイズが小さければ小さいほど熱が通りすぎてしまい、ビタミンCが壊れてしまう量が増えてしまいます。

そのためキャベツを食べる際はできるだけ加熱時間を短く済むように、長時間の煮込み料理などは避けたほうがよいでしょう。

芯こそ美味しく食べましょう

みなさんは、キャベツの芯はどうされていますか。すべて丁寧に捨ててしまってはとてももったいないです。実はキャベツには血圧上昇の予防に欠かせないカリウムや、骨の形成に欠かせないカルシウムなどのミネラルも含んでいますがそれらの多くはこの芯に集まっているとされています。

そのためせっかく栄養豊富なキャベツを食べるのであれば芯まで食べなくてはもったいないです。固くてそのままでは食べにくい芯も洗ってからそぎ切りにしたり、みじん切りにしたりすることで美味しく食べることができます。

キャベツを使ったおすすめ料理2選

栄養豊富なキャベツはたんぱく質と一緒に食べることによって、そのたんぱく質を十分に身体へ活かすことができます。そこでたんぱく質を多く含む食品と一緒に、より簡単に美味しく、栄養素を上手に摂ることができるおすすめの料理をご紹介します。

ロールキャベツをもっと簡単に!キャベツと豚肉のトマトミルフィーユ

キャベツ料理の定番といえば豚肉をキャベツで包んで煮込んだロールキャベツですが、とても手間がかかる上に一度ゆでた葉をさらに煮込むため、ビタミンCを始め栄養素が減ってしまうのが気になります。

そこで、大きな葉と豚肉のミンチを交互に重ねたミルフィーユを深めのお皿にトマト缶と味付けをして電子レンジで加熱すれば、加水せずに短時間で包まないロールキャベツ風トマト煮ができあがりです。ミンチが手間だという方はうす切り肉を重ねてればより簡単に作ることができます。

芯も活用!シャキシャキワンタン風スープ

固くて捨てがちな芯はそぎ切りにしてから細かくみじん切りにします。鶏肉のミンチと混ぜて、丸めてから片栗粉をまぶし、細く切った餃子の皮をまとわせてコンソメスープや中華スープのメイン具材にしましょう。

包むのが面倒な餃子も皮は細く切ってまとわせれば手間がかかりません。そのままでは味気ないキャベツも鶏肉と一緒にスープに入れればお子様も食べられる一品となります。

まとめ

とても身近で食卓の強い味方であるキャベツですが、何気なく食べていて、あまり栄養効果がないのではないかと思っていたかたも多いのではないでしょうか。

実は身体にとって重要な栄養素を含んでおり、身体に嬉しい栄養効果を知っていただけたと思います。また、その効果を最大限に生かす方法を知っているかいないかではその効果も全く変わってしまいます。

これまで、安いから・使い勝手よくかさ増しするためにキャベツを手に取っていた方も、身体の健康のためにキャベツを選んでみたくなったことと思います。早速、本日のごはんからキャベツを健康アップに活用しましょう。

この記事を書いた人:佐藤幸穂

この記事を書いた人:佐藤幸穂この記事を書いた人:佐藤幸穂

保有資格:管理栄養士・フィットネスインストラクター
大手スポーツクラブのインストラクターを退職後、管理栄養士免許取得のため大学に入学。 その後、スポーツクラブを併設するクリニックに就職し、運動と栄養の両方を指導。 述べ1500人以上の指導に携わる。 並行して、フリーの管理栄養士としても活動を広げ、企業とのイベント企画・パーソナルダイエット・道の駅プロデュース・栄養コラムの執筆など既存の管理栄養士に囚われない自由な活動を行っている。

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