そら豆の栄養や効能は?皮も食べるべき?レシピと共に管理栄養士が解説

初夏の味覚である【そら豆】。ぷっくりとしたさやの中から出てくる丸々とした豆の様子から「おたふく豆」とも呼ばれます。素揚げや茹でて豆を食べるのが定番でしょうか。青々とした独特の風味と甘みが口いっぱいに広がる、まさに夏の訪れを告げる味覚です。

今回はそら豆に含まれている栄養素やその効能から、おすすめの食べ方などもお伝えします。

そら豆のもつ栄養素と効能とは

ハウス栽培では収穫時期が1~2か月早いものもありますが、そら豆の旬は本州では5~6月です。緑色のさやは食べずに豆だけを食べる点が枝豆と似ていますが、枝豆とは別物です。枝豆は大豆の若い頃を収穫して食べるので栄養素にはたんぱく質が多いのですが、そら豆はインゲン豆と同じよう炭水化物が多い豆の仲間です。

そら豆に含まれている栄養素の中でも特筆すべきはカルシウム・鉄・食物繊維です。そら豆は、お腹のスッキリ感が足りないなという人や、最近イライラしがちだと感じる人、貧血気味な人におすすめできる食材です。

心臓の動きにも必須なカルシウム

そら豆は可食部100g中に54㎎のカルシウムを含んでいます。牛乳が100mlで110㎎のカルシウムを含んでいるので、そら豆には牛乳のおよそ半分の量のカルシウムが含まれていますね。乳製品や魚介類が苦手な方や、動物性の食品を控えている方には良いカルシウム源といえます。

カルシウムは歯や骨を健康な状態に保つだけでなく、筋肉の収縮を助けたり血圧の上昇を抑える働きがあります。興奮状態を抑える働きもあるので、最近イライラしがちな人はカルシウムを多めに摂取することをおすすめします。

貧血予防になる鉄

そら豆は可食部100g中に5.3㎎の鉄を含んでいます。

鉄は赤血球の重要な構成要素です。赤血球は酸素と結びつき、体の隅々まで酸素を運搬する役割があります。もし、鉄が無ければ正常な赤血球を作ることができず、結果的に貧血になってしまいます。

枝豆も栄養価が高く鉄分も比較的多く含まれている野菜ですが、枝豆には2.7㎎しか含まれていません。また、鉄が多いことで有名なほうれん草には2㎎、小松菜には2.8㎎しか含まれていないのです。そら豆の鉄の含有量の多さは意外に知られていないですよね。

青菜が苦手な方は、そら豆で鉄を摂取してみてはいかがでしょうか。

便を柔らかくする水溶性食物繊維

そら豆は可食部100g中に5.9gの食物繊維を含んでいます。

そのうち、不溶性の食物繊維が4.5g、水溶性の食物繊維が1.4gと野菜類の中では水溶性の食物繊維は多いほうです。

ひとことで「食物繊維」といいますが、性質によって「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類に分けられることはご存知でしょうか。不溶性食物繊維は繊維質な野菜や豆に、水溶性食物繊維は主にわかめや昆布などの海藻類に多く含まれています。不溶性の食物繊維は便のカサを増やして腸の蠕動運動 (ぜんどううんどう)を促すはたらきがあります。蠕動運動が活発になることで、便を出口へ押し出す力となります。

それに対し、水溶性の食物繊維は腸の中の老廃物を吸収してくれ、便を柔らかくしてくれます。便が固くて出にくい、というお悩みをお持ちの方には水溶性食物繊維を多く含む食材がおすすめです。

そら豆の栄養を効果的に摂取する食べ方

そら豆のさやから出た豆には薄皮がついています。この皮は捨ててしまいがちですが、皮にも栄養素が含まれているので捨ててしまうのはもったいないですよ。枝豆についている薄皮よりも厚めで食べるときに気になるかもしれませんが、食べやすい方法をお伝えします。

また、栄養素によっては、他の食材との食べ合わせで体内の取り込まれる割合が変化する栄養素もあります。同じ量を食べても少しの工夫で吸収される割合が変化するのなら、実践しない手はありませんね。

皮ごと食べる

そら豆の薄皮にも栄養素が含まれています。食物繊維はもちろん、豆よりも多くポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは体の中の酸化した物質を元に戻す【抗酸化作用】や、血管を丈夫に健康に保つ働きを持ちます。

鮮度が落ちると薄皮はどんどん固くなってしまうので、新鮮なものを購入してなるべく早く食べることをおすすめします。

一番外側のサヤも、鮮度が良い場合は食べられるので収穫したてに出会えた時には召し上がってみてください。刻んでじっくり茹でてスープや煮物にすると食べやすいです。

ビタミンCやたんぱく質と食べる

そら豆に含まれている鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取することで吸収率が高まります。

ビタミンCは野菜や果物に、たんぱく質は肉や魚・大豆製品に多く含まれていますよ。そら豆をおつまみにお酒を飲むときには、ビタミンCが入っているレモンサワーや、たんぱく質を補給できるようなおつまみをもう一品足すと良いです。

逆に、鉄の吸収を妨げる食品もあるので要注意。動物性の食品に含まれる鉄と植物性の食品に含まれる鉄は種類が違うのですが、植物性食品の鉄はお茶やコーヒーなどに含まれるタンニンと結びつくと吸収されにくくなってしまいます。

そら豆を使ったおすすめレシピ3選

最後に、そら豆の栄養素を効果的に摂取する方法を活かし、簡単にできるレシピをご紹介します。

そら豆といえば、薄皮を剥いてから素揚げにしたり、薄皮のまま塩ゆでにして皮を残す食べ方がメジャーですが、他にもさまざまな料理に使えます。ここで紹介するレシピの他にも、炒め物やシチューに入れると簡単で美味しく食べられます。

生のまま薄皮ごと冷凍保存も可能なので、旬の時期にたくさん購入して密閉袋に入れて冷凍すると長く楽しめますよ。ただし、冷凍すると薄皮が少し硬くなってしまうため、注意が必要です。

そら豆の薄皮チップス

180℃に熱した油でそら豆の薄皮のみをカリカリになるまで揚げる(約3~4分)。お好みで塩や、ハーブソルト、カレー塩などを振りかけて召し上がれ。

そら豆の中身も素揚げにしたい場合、薄皮とは揚げ時間が違うので別々に素揚げにすると良いです。

捨ててしまうはずの皮まで食べることで、食物繊維やポリフェノールを摂取できます。

皮ごとポタージュ(2人前)

小鍋にオリーブオイル(大さじ1)を中火で熱し、薄皮付きのそら豆(100g)と、スライスした玉ねぎ(1/4個)を5分ほど炒める。水(100㏄)を加えて沸騰したら蓋をし、弱火で5分ほど煮る。火を止めてミキサーに鍋の中身を入れ、豆乳(100ml)と塩(小さじ1/2)と一緒に攪拌する。滑らかになったら鍋に戻し、弱火で温めて器によそう。

皮から食物繊維とポリフェノールを摂取することができ、豆乳に含まれるたんぱく質と合わせることで鉄の吸収率を高めます。

そら豆入りジャーマンポテト(2人前)

フライパンにオリーブオイル(大さじ2)とスライスしたニンニク(1片)を入れ、中火で熱する。ニンニクがこんがりと色付いてきたら取り出し、一口大の乱切りにしたじゃがいも(中1個)と、薄皮がついたそら豆(12粒)、食べやすい大きさに切ったウインナーかベーコン(80g)と一緒に炒める。ジャガイモに火が通ったらニンニクを戻し、ハーブソルトや塩コショウで味を調え完成。

お肉のたんぱく質とじゃがいものビタミンCを組み合わせることで、鉄の吸収率がアップ!

まとめ

そら豆の栄養素と、栄養素を丸ごと摂取できるレシピを紹介しました。そら豆の薄皮にも栄養素が含まれているので、これを機に捨てずに食べるようなレシピでそら豆を調理してみはいかがでしょうか。

そら豆の旬の時期は短いですが、旬の時期以外にも薄皮ごと冷凍されているそら豆も手に入るので、鉄や食物繊維などの摂取に役立ててください。ただし、冷凍品は薄皮が固いことが多いので噛み切れない場合は無理して食べないようにしましょう。

この記事を書いた人:井澤綾華

この記事を書いた人:井澤綾華この記事を書いた人:井澤綾華

幼少期から畑で土いじりをしながら育ち、野菜を料理するのも食べる事も大好き。
管理栄養士・栄養教諭第一種の資格を取得。
今は農家の嫁となり、1男1女の母。
農作業をしながら管理栄養士として企業の食に関する執筆作業や栄養価計算、レシピ開発等を行う。

ブログ:https://izawa-farm.com/blog 
インスタ: @izawa_ayaka

関連する記事

記事のカテゴリ