良薬口に苦し!にがーいゴーヤの持つ栄養を管理栄養士が解説

ゴーヤ

ぶつぶつとした独特の見た目に、口に入れた瞬間広がる強い苦み。沖縄の特産品として有名な野菜といえばゴーヤです。

少し苦みが強いため、あまり食卓に登場することは多くないかもしれませんが、夏の強い日差し対策としてゴーヤの蔓をカーテン替わりに栽培する方が増えており、これまでと比較しても身近な存在となりつつあります。

ゴーヤ自体はとても多くの栄養素を含んでおり、強い日差しが降り注ぐ沖縄では身体を守るためにゴーヤが大活躍しています。沖縄でなくても、強い日差しが差す夏でなくても、ゴーヤには一年中食べたくなる嬉しい栄養効果が豊富に詰まっています。

そこで今回は、苦いだけじゃない!毎日食べたくなるゴーヤの美味しい栄養効果についてご紹介したいと思います。

ゴーヤのに含まれる栄養素・成分の効能とは?

良薬は口に苦しと言われるだけあって、苦みが特徴のゴーヤについて、多くの方が健康に良さそうという印象をもたれていると思いますが、実際に身体にどのような健康効果をもっているかご存知でしょうか。

ゴーヤは特に身体を丈夫にしたい方、高血圧を改善したい方、貧血傾向にある方、骨を強くしたい方におすすめしたい食材です。さらに近年ゴーヤに含まれるある成分の研究が進められており、食後の高血糖を改善したい方にも最適な食材であることが分かってきています。

では、そんなゴーヤのもっている栄養効果についてより詳しくご説明いたします。

カリウム

カリウムは主に野菜に多く含まれるミネラルです。身体の中にはナトリウムとカリウムがバランスを保ちながら体内の水分量をコントロールしています。

食事での塩分摂取量が多すぎるとこのバランスが崩れてしまい高血圧の原因となってしまいます。もちろん塩分の摂取は適量を目指したいですが、ここでカリウムをしっかり摂ると、摂りすぎた塩分を身体の外へ排出するように促してくれます。

特に日常的に塩分の摂取量が多い日本人にとっては、ぜひ意識して取り入れたい栄養素ですね。

ビタミンC

寒い時期、風邪の予防に意識して摂る方も多いビタミンC。実はその効果は風邪の予防だけにとどまらず、身体のあらゆる場所で活躍する非常に重要なビタミンです。

全身のあらゆる組織を形作っている細胞にはコラーゲンというたんぱく質が含まれています。そのコラーゲンを構成する際に重要なビタミンの一つがビタミンCであり、そのビタミンCが不足してしまうと健康な細胞を作ることを阻害してしまいます。

健康な細胞を保つことは若々しい肌を保つためだけではなく、さまざまなウイルスや細菌の侵入を防ぐためにも必要です。さらに、コラーゲンは肌だけでなく、骨を始めとする様々な組織に含まれています。

ビタミンCの不足は全身のあらゆる組織がもろくなり、ささいなことで細胞が壊れて骨折や出血をしてしまうようになります。

ゴーヤ1本には私たちが1日に必要なビタミンC量の6倍以上が含まれていますので、1食で十分な量のビタミンCを摂ることが期待できます。

参考文献:佐藤 守, 吉中 禮二「ビタミンCとコラーゲンの生成」日本農芸化学会誌,64-12,1850-1853(1990)

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ビタミンE、葉酸

ビタミンEはその働きの一つとして、赤血球の膜を守ることで主に健康な赤血球を作り、溶血(赤血球の破壊)を防止するために重要な役割を担っています。

細胞の成長に欠かせないビタミンの一つである葉酸は、胎児の細胞分裂や成熟において大変重要で、先天性の神経管閉鎖障害を予防するためにも妊娠中は積極的に摂りたい栄養素の一つで知られています。

貧血の症状に悩んでいる方は、鉄分を重点的に摂るように気を付けていると思いますが、いくら鉄を摂取していても健康な赤血球を作ることができていなければ意味がありません。

これらのビタミンを摂ることで、鉄を摂取することに加えてより効果的に貧血症状を改善することが期待できます。ゴーヤにはその両方の成分が豊富に含まれています。

コロソリン酸

コロソリン酸はゴーヤの苦みを感じさせるたんぱく質の一種です。あまり聞きなじみのない方が多いと思われるこの栄養素ですが、別名植物インスリンと呼ばれ、近年、食後の高血糖対策に効果があると注目を集めている成分です。

食後は血糖値が高い値になります。するとインスリンというホルモンが放出されて細胞の中に糖を吸収させることで、エネルギーとして利用し、血糖値を下げています。しかし運動不足や肥満、年齢による機能低下で糖が細胞の中に入るための入り口GLUT4の活性が低下することがあります。

そうすると、いくらインスリンが放出されても糖は細胞内に入ることができず、血糖値はいつまでたっても高いままになってしまいます。これが糖尿病の症状の一つです。

コロソリン酸は古くはフィリピンに自生しているバナバという樹木(サルスベリの仲間)に多く含まれており、1000年以上前から肥満や糖尿病に効果があるといわれてきたたんぱく質です。欧米では長く研究が進められており、効果と安全性が十分に検討され、サプリメントとして効果や安全性が認められています。

日本でもコロソリン酸を一定量、一週間以上摂取した後、食後の血糖値が有意に低下したという結果が次々に報告されており、食後の血糖値が高めの方にはゴーヤの苦み成分に嬉しい効果が期待できるといっていいでしょう。

参考文献:土部 聡福, 片海 晟五, 森 正樹, 森 治樹「コロソリン酸高含有バナバ抽出物カプセル剤による食後血糖値の上昇に対する抑制効果」日本食生活学会誌,17-3,255-259(2006)

ゴーヤのおすすめ調理法

ここまでは、ゴーヤの豊富な栄養素とその嬉しい効果についてご紹介させていただきました。

しかし、これらの栄養素にはそれぞれ特徴があり、そのポイントを押さえて調理することで、よりゴーヤの効果を最大限に生かしながら美味しく食べる事ができます。次に、簡単なゴーヤの活用ポイントをご紹介したいと思います。

下ゆで不要!切らずに洗って炒めるか、冷凍保存

ゴーヤの苦みを抑えるために下茹でをする方も多いと思います。しかし、ゴーヤに豊富に含まれるビタミンCは非常にデリケートで熱に弱く、水に溶ける性質をもっています。ゴーヤの表面の細胞は他の野菜と比較してしっかりした丈夫なつくりになっていますが、ぐらぐら煮立ったお湯に入れてしまうと、ビタミンCを70%も失ってしまいます。

さらに、ゴーヤを洗う際も注意が必要で、切ってから洗ってしまうと切り口からビタミンCが流れ出てしまいます。

生のゴーヤを調理するときは、そのまま洗ったあとに切って炒めるか、すぐに使わないときはそのまま冷凍保存することで、細胞が崩れて加熱時間が短くてもしっかり火をとおすことができます。

油やたんぱく質と一緒に炒める

ゴーヤに含まれるビタミンの中には、ビタミンEをはじめとした油に溶けるビタミンも多く含まれています。そのため、調理の際は卵や豚肉を一緒に使用したり、油を使って炒めたり煮込んだりすることで、よりビタミンの吸収もアップすることができます。

ゴーヤを使ったおすすめ料理3選

これまでにゴーヤに含まれるさまざまな栄養素と、身体に嬉しい効果についてご紹介しました。これらの栄養素の特徴を踏まえたうえで、より効果的で効率よく摂取できる調理方法をご紹介したいと思います。苦いゴーヤを上手に活用していつものおかずを美味しく食べてみましょう。

切って混ぜたら完成!ゴーヤと海藻のマヨ白和え

ゴーヤは切らずに表面を塩もみしたら、薄切りにします。電子レンジで温めて水分を軽く抜いた豆腐と、水でもどしたわかめを加えたら、めんつゆとマヨネーズで味付けします。

わかめの鉄はゴーヤのビタミンCによってより吸収がよくなり、マグネシウムはゴーヤの骨粗しょう症効果をさらにアップさせてくれます。また、加熱を控えることで豊富なビタミンCをできるだけ守りながら美味しく食べることができます。

めんつゆと好きな野菜で、カラフルゴーヤチャンプルー

ゴーヤは同じように切る前に塩もみして、軽く苦みを落としたら水切りした木綿豆腐とお好きなカラフル野菜、豚肉の薄切りを炒めます。トマトやパプリカを加えると、ビタミンCをさらに強化することができます。きのこを加えることで食物繊維も加えることができます。

最後にめんつゆで簡単に味付けした後に、卵でとじればまろやかで美味しい栄養満点のゴーヤチャンプルーになります。

まるごとゴーヤの肉詰めチーズ焼き

縦に切ったゴーヤのワタをくり抜いて、片栗粉をまぶします。味付けした豚肉のミンチを内側に詰めてピザ用チーズをまぶしたら、フライパンで外側を下にしてじっくり弱火で焼きます。

食べ応えのあるおかずであり、豚肉のビタミンやゴーヤのビタミンをチーズの脂質で吸収がよくなりますし、乳製品のカルシウムも摂ることができます。

まとめ

苦くて夏の食べ物という印象が強いゴーヤ。その苦みが健康によさそうだということは、思っていても、具体的に嬉しい効果があるか知っている方は多くはないのではないでしょうか。

実はその苦いゴーヤには、ただ栄養バランスが整っているだけではなく、健康のために、嬉しい効果が期待できることがお分かりいただけたと思います。普段の食卓にゴーヤを加えるだけで、簡単に栄養バランスが整うだけではなく、身体に嬉しい変化を期待できるでしょう。

ぜひ、スーパーで見かけたときは手に取って今日の食卓に活用してみましょう。

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この記事を書いた人:佐藤幸穂

この記事を書いた人:佐藤幸穂この記事を書いた人:佐藤幸穂

保有資格:管理栄養士・フィットネスインストラクター
大手スポーツクラブのインストラクターを退職後、管理栄養士免許取得のため大学に入学。 その後、スポーツクラブを併設するクリニックに就職し、運動と栄養の両方を指導。 述べ1500人以上の指導に携わる。 並行して、フリーの管理栄養士としても活動を広げ、企業とのイベント企画・パーソナルダイエット・道の駅プロデュース・栄養コラムの執筆など既存の管理栄養士に囚われない自由な活動を行っている。

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