豆のもつ栄養を種類ごとに解説!おすすめレシピも管理栄養士が紹介

豆類は健康的な食品として取り上げられることが多いですが、家庭で豆を取り入れる機会は他の食品に比べて少ないかもしれませんね。豆類は料理の主役として使うことは少ないかもしれませんが、サラダやスープ、カレーなどさまざまな料理に使うことができます。

ひとまとめに豆といっても、大豆や枝豆などさまざまな種類があり、それぞれ風味や食感さらには含まれる栄養素にも少々違いがあります。ここでは豆類にはどのような種類があるのかを紹介し、それぞれに含まれる栄養素について解説していきます。

豆に多く含まれている栄養素とは

豆類にはたんぱく質が多く含まれています。たんぱく質源となる食品といえば肉や魚、卵などが挙げられますが、豆類やその加工品もたんぱく質源の食品です。豆を摂るメリットの一つとして、脂質を抑えながらたんぱく質を摂ることができるという点が挙げられます。

豆は植物性食品なので脂質の含有量が少なくカロリーを抑えられやすいのです。その一方で、筋肉などの身体の組織を作るために必要なたんぱく質の含有量は多く、効果的に摂取できます。また、腸内環境を整える食物繊維や種類によっては抗酸化作用を持つポリフェノールを含みます。

このような栄養的な特徴からも、豆はカロリーを抑えつつたんぱく質をしっかり摂りたい方や便通を整えたい、老化予防をしたいという方におすすめの食品といえるでしょう。

たんぱく質

血液や内臓、筋肉など身体の組織を作るためには欠かせない栄養素です。また、エネルギー産生栄養素のひとつで、炭水化物や脂質とともに身体を動かすためのエネルギーを作り出します。その他、ホルモンや酵素などの材料にもなるため、身体のさまざまな機能に関わっています。

食品にはたんぱく質を構成するアミノ酸の比率によって「質」が決まり、それを「アミノ酸スコア」と呼んでいます。豆のなかでも大豆や大豆加工品のアミノ酸スコアは100であり、身体のなかで利用されやすい良質のたんぱく質と評価されているのです。吸収率も95%と高く、摂取した分はほぼ身体のなかで利用されます。

食物繊維

食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。そのうち豆には不溶性食物繊維が多く含まれており、その働きは腸の活動を活性化させたり、便量を増やしたりするものです。

日本人は慢性的に食物繊維が不足していると調査で報告されています。食物繊維といえば野菜や果物を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではなく豆も摂取源として活用できることを知っておきましょう。煮豆など豆が主役となる料理だけではなく、サラダなどのトッピングとして使うのも便利です。

特に女性は鉄欠乏貧血になることが多いのですが、鉄不足の症状は疲れやすい、食欲不振など自分では貧血だと気づきづらいケースもあります。豆類のなかでもいんげん豆やレンズ豆、小豆などは鉄を多く含んでおり貧血対策に役立ちます。

植物性の食品に含まれる鉄は非ヘム鉄といってもともと吸収されづらい鉄なのですが、実はたんぱく質には鉄の吸収を高める働きがあるのです。たんぱく質と鉄を同時に摂れる豆は鉄の補給源に適している食品だといえるでしょう。

豆は茹でると栄養に変化があるの?

豆は硬くてそのままでは食べられないため、茹でて食べるのが普通です。食品を茹でると栄養が逃げるとよく聞かれますが、豆を茹でた場合どのような栄養的な変化が見られるのでしょうか。

大豆を手にとると乾燥した大豆はゆでると重量が約2.2倍になります。例えば50gの乾燥大豆を茹でた場合は110gになるというわけです。

この量で比較した場合大きく減るのは、ミネラルのなかではカリウムや鉄、銅、ビタミンのなかではビタミンB2やナイアシン、ビタミンB6などほとんどのビタミンに減少が見られます。そのなかでも特に大きく減少するのは葉酸です。

ビタミンは水溶性の性質を持つものが多く、茹でた場合はそのゆで汁に溶け出してしまいます。ゆで汁の細かい栄養価は不明ですが、豆の持つ甘味やうまみが溶け出して深い味わいになっており、だし汁として使われることもあるそうです。

炭水化物(でんぷん)が多い豆

豆類は栄養価の特徴的に炭水化物が多いものタンパク質脂質がそれぞれ多いものにグループ分けすることができます。1000歩4大栄養素がある時や反対に多く取りたい栄養素がある場合、それぞれの豆の特徴を知っておくと便利です。

ここでは、3つのグループに分けて豆の栄養やその特徴について解説していきます。まずは、炭水化物が多い豆からご紹介します。

小豆

あんこやお汁粉に使われる小豆は炭水化物を多く含んでいます。料理ではお赤飯に使用されることが多いですが、どちらかというと和菓子などのお菓子に使われることが多い豆です。お菓子に使う場合は砂糖を合わせて甘く煮るため、より炭水化物を多く含むことになります。和菓子は太りにくいといわれることもありますが、炭水化物の摂りすぎによるエネルギー過多にならないように注意しましょう。

小豆の色素はポリフェノール成分で、抗酸化作用を持ちアンチエイジングに効果が期待されています。

いんげん

彩りが鮮やかないんげんは炒め物や和え物などによく使われます。サヤごと食べる豆なので豆というよりも野菜のような存在ともいえます。いんげんは緑黄色野菜に分類され、ビタミンB1やB2、K、Cなどが含まれています。いんげんは緑色のものが代表的ですが、実は黄色や紫などバリエーションが豊富です。加熱しても色をそのまま保つので料理の彩りとしてもおすすめ。

いんげんは風味が豊かで少しクセがあるため苦手な人もいるかもしれません。苦手な人にはマイルドな味わいの黄色のいんげんがおすすめです。

えんどう

えんどう豆はグリンピースの名で知られ、食物繊維が多く含まれる豆です。オムライスやハヤシライスなどの洋食のトッピングとして使われることが多い豆です。また、冷凍食品のミックスベジタブルにはにんじんやコーンと併せられており、料理に彩りを加える食材のひとつとして活用されることがあります。

グリンピースは1粒が比較的大きめで存在感があり、ほくほくとした食感をしています。青々しい豆の味が感じられるので好き嫌いが分かれやすい豆ともいえるでしょう。一度に多く摂りたければ飾りではなくソテーなどに使いましょう。

そらまめ

初夏に春を迎える豆で空に向かってさやが伸びるためそら豆と名付けられています。空をむいて伸びていたさやは熟してくると地面に平行になるか下を向きます。鮮度が落ちやすい豆ですが、茹でたてのおいしさは格別なので新鮮なものを食べましょう。そら豆は実がほっくりしていて塩茹でするだけでも美味しいですが、黒こしょうをまぶしたりチーズをかけたりすれば簡単なおつまみにも。

豆類のなかでもダントツで炭水化物を多く含むのがそら豆です。そら豆には他にも鉄や銅などが多く含まれています。どちらも貧血予防に効果的なミネラルです。

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レンズ豆

日本ではそれほど馴染みがなく、ほとんど輸入に頼っています。インドやイタリア、フランス料理では定番の食品として使われており、近年増加しているベジタリアンやヴィーガンの方にも人気です。レンズ豆は地域ごとに色が異なり、緑色、褐色、オレンジなどさまざまな種類が存在します。

またその歴史は古く、人類が食べ始めた豆類の中で最も古いともいわれる豆です。日本でも人気の「ダル」というスープは、さらさらとしたカレーですがレンズ豆が使われています。レンズ豆は食物繊維が多く含まれる豆ですので、便通が気になる方におすすめです。

ひよこ豆

ゴツゴツとした表面のひよこ豆は、練りごまを合わせたフムスやカレー、スープなどに使われます。フムスは豆をペースト状にしたもので、食べ方は野菜をディップしたりサンドイッチの具材にしたりといったものが定番です。ひよこ豆の名前の由来はクチバシのような突起があることから。

便利な缶詰商品も市販されていますが、フレッシュなホクホクとした風味を楽しみたければ乾燥したひよこ豆を使ってみましょう。ひよこ豆は豆類のなかでも特に多くの食物繊維を含んでいます。便秘の方におすすめです。

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タンパク質が多い豆

続いて、タンパク質を多く含む豆をご紹介します。

大豆

たんぱく質を多く含んでおり、豆腐や納豆、豆乳などの加工品も広く親しまれています。大豆は豆類のなかでもたんぱく質が多く含まれるのが特徴で、加工品であれば一度に多くの量を摂取しやすいというのもメリットのひとつです。

また、大豆にはイソフラボンという女性ホルモンに似た作用を持つポリフェノール成分が含まれています。そのため、女性ホルモンの分泌に減少がみられ始める更年期の女性におすすめの食品です。

枝豆

枝豆は未成熟の状態で収穫された大豆のことをいいます。大豆になるとベージュ系の色になりますが、枝豆はご存知のとおり鮮やかな緑色をしています。そのため枝豆の状態では野菜に分類され、β-カロテンや葉酸などが多く含まれます。同じ植物でも成熟度の違いによって分類や栄養価に違いがあるのです。枝豆のたんぱく質は大豆ほど多くはありませんが、豆類のなかでは多い方です。

脂質が多い豆

落花生

落花生はマメ科の植物ではありますが、脂質が多いことから栄養の特徴が似ているとして種実類に分類されます。落花生を元に作られるバターはピーナッツバターともされるほど脂質が多いので、量や頻度など食べ方には注意が必要でしょう。豆類のなかではダントツにカロリーが高くなっています。

豆の保存方法

豆は乾燥した状態であれば日持ちしますし、缶詰の豆も賞味期限は長いです。ただ、水煮の豆や家庭で茹でて余ってしまった豆はそのままにしておくと腐敗してしまうので注意しましょう。豆を冷凍する場合は茹でたものが基本です。

また、空気が入らないように袋の空気を抜いたり、密閉できる容器に入れたりすることで鮮度を保てます。解凍するときは電子レンジで加熱しますが、食感は落ちてしまうのはやむ終えません。なるべく早く食べきるようにしましょう。

豆を使ったおすすめ料理

豆はさまざまな種類があり、含まれている栄養素にも違いがあります。日本人にもっとも馴染み深いのは大豆ですが、それだけではなく色や食感などによっていろいろな豆を使い分けてみてくださいね。ここでは豆を使った料理を紹介します。

スープ

コンソメや鶏ガラスープの素などを使って、いろいろな味を変えて楽しむことができるスープです。カレー粉や牛乳などを使って味付けにバリエーションをつけることも可能です。ダルというインドのカレースープもあるように、ひよこ豆を使ったスープは他国ではとても人気があります。

スープの定番具材としては肉を使うことが多いですが、カロリーを抑えたいときや食物繊維をしっかり摂りたいときは豆を使ったスープを活用してみてはいかがでしょうか。

サラダ

野菜をたっぷりと摂りたいときはサラダが便利ですね。レタスやトマト、きゅうりなど数種類の野菜を組み合わせるサラダは栄養バランスも整います。ただ、野菜だけの組み合わせではたんぱく質が少なくなってしまいます。

サラダの栄養価をより高めたいときは、カロリーの低い豆をプラスしてたんぱく質アップさせてみてはいかがでしょうか。豆をトッピングすれば、たんぱく質だけではなく食物繊維も増やすことができます。サラダにおすすめの豆は小さな粒が特徴のレンズ豆です。雑穀やシリアルなどいろいろな食材と合わせてトッピングしてみるのもおすすめですよ。

まとめ

豆にはさまざまな種類があり、含まれている栄養素の特徴が異なるので、自分の摂りたい栄養素や好みの種類で選ぶことができます。日頃から大豆加工品を摂取している方は多いかもしれませんが、脂質が少なくヘルシーな豆そのもの自体も是非とり入れてみてくださいね。

乾物の豆を使うのが手間だと感じる場合は水煮や缶詰の豆を利用してみましょう。

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この記事を書いた人:片村 優美

保有資格:管理栄養士

フリーランスの管理栄養士として、短大の非常勤講師、webライター、料理家など幅広く活動。
栄養学をもとに、食の楽しさや美味しさの方を重要なものとして捉え、情報を発信。
食の歴史や地域特性、経済と健康の関連など様々な活動を精力的にこなし、現在はローカル版のレシピサイトを運用しており、新しい可能性を模索中。

Twitter:https://twitter.com/katamurayumi 

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