ルッコラがもつ栄養とは?おすすめの食べ方を管理栄養士が解説

みなさんは、ルッコラという野菜をご存知でしょうか。あまり食卓で登場する機会は少ないかもしれませんが、イタリア料理のサラダの材料やピザの添え物などで食べたことのある方も多いと思います。

イタリア料理では利用されることの多いルッコラは、独特の苦みや辛味を特徴に持つアブラナ科のハーブの一つです。その辛味成分はもちろん、ビタミンやさまざまなミネラルを豊富に含んでいる、とても栄養効果の高い緑黄色野菜です。

今回はこのルッコラの知られざる魅力と共に、今日から試したくなるルッコラを使った簡単レシピも合わせてご紹介したいと思います。

ルッコラに含まれる栄養素の効能とは

ルッコラ

ピリッとさわやかな辛味が特徴のルッコラですが、その中には多くの種類の栄養素や成分が含まれています。その栄養素や成分から、さまざまな栄養効果が期待できますが、特に身体の老化を防ぎたい方や高血圧を予防したい方、貧血を予防したい方に嬉しい効果が期待できる栄養素が多く含まれています。

次に、そのルッコラに含まれる豊富な栄養素の中でも特にルッコラの特徴ともいえる栄養素とその効果についてご説明していきます。

ビタミンA

ビタミンAは、脂溶性のビタミンで、眼の健康や機能を維持するために必要な働きを持っているだけでなく、強い抗酸化作用も持っています。抗酸化作用とは、呼吸による酸素や紫外線、ストレスや飲酒など身体の中で日々発生する活性酸素から、全身の細胞を酸化(老化)から守ってくれる効果があるのです。

野菜などに含まれているカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。また、ルッコラは豊富なカロテンを含んでいることが特徴の緑黄色野菜です。

緑黄色野菜に分類される野菜の定義は、その野菜の色の濃さを指すのではなく、厚生労働省の基準では「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600μg以上の野菜」のことを指します。

50~74歳女性の1日に必要なビタミンAの量は約500μgRAE ですが、約1食分のルッコラ(15g)当たりに約540μgRAE 含まれており、ほぼ1日分のビタミンAをまかなうことができます。

ビタミンC

ルッコラには豊富な種類のビタミンが含まれていますが、先ほどご紹介したビタミンAと並んで特徴的な栄養素が水溶性のビタミンCです。

ビタミンAと同じく、強い抗酸化作用をもつビタミンCは、活性酸素から守るだけではなく、酸化した細胞をもとに戻すキレート作用ももっています。また、健康な皮膚や血管をはじめ、全身の細胞を構成するために必要な成分であるコラーゲンを生み出す際に必要な役割を持ちます。

先ほどのビタミンAとビタミンCと同じ抗酸化作用をもつビタミンEを合わせて、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。1日に必要なビタミンCの量は約85mgであり、およそルッコラ100g当たりに約66mg含まれています。

ここまでに、ルッコラには豊富なビタミンが含まれていることをご紹介しましたが、実はビタミンだけではなくミネラルも豊富に含むこともルッコラの特徴です。

その一つとして、鉄があげられます。鉄は赤血球を構成する重要な成分です。鉄が不足し、赤血球が作れなくなり貧血になってしまうと、全身に酸素を運ぶことができなくなってしまいます。また、鉄は食事からの吸収がしにくい栄養素でもあるため、積極的に摂る必要があります。

鉄を多く含む食材としてプルーンがあげられますが、乾燥させたドライプルーンが100g当たり、1日に必要な鉄の量は6.5mgに対して1mgの鉄を含みますが、ルッコラ約100g当たり、1.6mgの鉄を含みます。

アリルイソチオシアネート(辛味成分)

ルッコラはごまのような風味に加えて、ピリッとしたさっぱりしたさわやかな辛味が特徴です。

この辛味成分は、大根やワサビに代表するイソチオシアネート類の成分です。アリルイソチアシオネートはアブラナ科の植物に含まれている辛味成分で、細かく刻むことでより強く辛味を感じます。

アリルイソチアシオネートを含むイソチオシアネート類は、強い殺菌作用をもっているため、近年は加工品の保存に使われるなどその効果が注目されています。また、身体の酸化(老化)の原因である一酸化炭素を体内から除去する働きもあることから、酸化ストレスから身体を守ってくれる効果があります。

アリルイソチアシオネートは熱に強く、調理の過程で働きを失う事がほぼないと言われています。そのため、生食で食べれられているイメージのあるルッコラですが、加熱調理を含め幅広い料理に活用することができます。

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2015年版(七訂)
参考:厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2020年版)
参考文献:飯田孝彦,岩崎正良,他,「アリルイソチオシアネートを抗菌成分とした徐放型製剤の開発」東京都立産業技術研究センター研究報告,第5号,p.116-117(2010)

ルッコラに含まれる栄養成分を効率的に摂取するには

ここまでに風味豊かでおいしく、栄養素をたくさん含んでいるルッコラの魅力についてお話してきました。何気なく食べているルッコラですが、ちょっとした食べ方や調理の工夫のポイントをおさえるだけで、より効率的に栄養素を摂取することができます。

次は、簡単にできるルッコラの栄養効果を最大限に生かす調理のポイントをご紹介します。

洗うのは、切る前に

ルッコラに含まれているビタミンCは、水分に溶ける水溶性のビタミンです。また、高血圧予防に効果のあるカリウムも含んでおり、これも水に溶けるミネラルの一つです。

ルッコラを細かく切ったあとに水にさらしてしまうと、切り口からこれら水溶性の栄養素が流れていってしまいますので、ルッコラを洗う際は切る前にしましょう。

また、残ったルッコラを保存する際は、ラップに包まず、新聞紙やキッチンペーパーなどに包んで保存すると良いです。

油と一緒に調理で栄養素の吸収アップ

ルッコラに含まれるビタミンAは脂に溶ける性質があります。そのため、ルッコラをそのまま食べてしまうより、油脂や肉・卵など脂を含む食品と一緒に食べることで、腸での吸収が良くなります。

また、サラダなど生食する際もノンオイルのドレッシングを使わずに、オリーブオイルなど身体に良いオイルで作られたドレッシングを使うなど、簡単なアレンジで脂質と一緒に食べる事ができます。

これによりビタミンAの吸収を良くして、いつもと少し変わった味付け、風味を楽しむことができます。

ルッコラを使ったおすすめ料理

これまでに美味しく風味豊かなルッコラにたくさん含まれている健康を維持するために必要な栄養素についてその魅力をご紹介してきました。調理のポイントを押さえることで、さらにその身体に嬉しい栄養効果を効率よく最大限に身体に摂り入れることができます。

最後はルッコラを活用したおすすめのレシピをご紹介します。美味しく簡単に、ルッコラの魅力を丸ごと食べることができるレシピをぜひお試しください。

ルッコラの中華和え

さっと茹でたルッコラとツナ缶、ごま油や中華だしと和えるだけで、軽い苦みと辛味がアクセントのおかずになります。ツナ缶はオイル漬けの物を使用することでビタミンAの吸収アップを促します。

また、ここにしらすをかけることでカルシウムをプラスすることができ、ビタミンとミネラルのバランスをさらに整えることができます。

ごま油には抗酸化ビタミンのビタミンEを含んでおり、ルッコラに含まれている抗酸化ビタミンのA、Cと合わせてさらに抗酸化作用を高めることができます。

ルッコラの混ぜおにぎり

細かく刻んだルッコラと、さばの味噌煮缶をマヨネーズと和えて、ごはんに混ぜます。おにぎりにすればルッコラの風味がアクセントになる変わり種のおにぎりになります。

さばには、身体のもとになるたんぱく質と、血液サラサラの効果があるDHA、血液の材料になる鉄が含まれています。

ルッコラに多く含まれているビタミンCは酸化しやすいDHAを守ってくれたり、腸からの鉄の吸収を高めてくれたりするので、一緒に摂ると効果的です。

まとめ

日ごろ、あまり食卓にてなじみのない野菜であるルッコラですが、そこに含まれる豊富な種類と量の栄養素は、他の緑黄色野菜と比較してもとても優秀な野菜だとおわかりいただけたと思います。

日ごろ外食をした際に食べていたルッコラを、お家でそのままイタリアンサラダで召し上がっても美味しく食べることができますが、和風や中華風の和え物でもさわやかな香りと共に美味しく食べる事ができます。

ぜひ、スーパーでお見かけした際は、手に取ってみてくださいね。

 

この記事を書いた人:佐藤幸穂

この記事を書いた人:佐藤幸穂この記事を書いた人:佐藤幸穂

保有資格:管理栄養士・フィットネスインストラクター
大手スポーツクラブのインストラクターを退職後、管理栄養士免許取得のため大学に入学。 その後、スポーツクラブを併設するクリニックに就職し、運動と栄養の両方を指導。 述べ1500人以上の指導に携わる。 並行して、フリーの管理栄養士としても活動を広げ、企業とのイベント企画・パーソナルダイエット・道の駅プロデュース・栄養コラムの執筆など既存の管理栄養士に囚われない自由な活動を行っている。

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