有料老人ホームとは?費用や入居条件について徹底解説!

有料老人ホームとは、高齢者に入浴、排せつ、食事の介護、洗濯、掃除等の家事、健康管理の中から少なくとも一つのサービスを提供している施設です。

有料老人ホームには「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があり、その中からご家族やご自身に合う施設を選ぶことができます。

有料老人ホームは種類が多く、施設によってサービス内容や料金にも幅があるのが特徴です。そのため、どの施設が自分に合っているのかを理解をすることがとても大変です。

※現在、健康型有料老人ホームの数はとても少なくなっています。

そこでこの記事では有料老人ホームの種類やかかる費用、入居条件、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。

それぞれの有料老人ホームの特徴を把握し、自分にあった施設を選びましょう。

有料老人ホームの種類は3つ

冒頭でも述べた通り、有料老人ホームは、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つに分けられます。どの施設も入る条件や提供するサービスが異なるので、詳しく説明していきましょう。

車椅子の夫婦とヘルパー
©kazoka303030/stock.adobe.com

 

介護付き有料老人ホームとは

介護付き有料老人ホームとは介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」の指定を都道府県から受けている高齢者施設です。

特定施設入居者生活介護に指定されている施設では、利用者は介護サービス計画に基づいてその施設のスタッフから居住施設の介護サービスとして、食事、入浴、排泄などの介護サービスを受けることができます。

さらに介護付き有料老人ホームは「自立型」「混合型」「介護型」などの種類にわかれています。それぞれの施設で入居条件などが違いますので、自立でも入れるのか、要介護認定が必要かなどを事前に確認する必要があります。

介護付き有料老人ホームの費用や入居条件などについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

介護付き有料老人ホームとは

 

住宅型有料老人ホームとは

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設となっており、スタッフによる居室の掃除、洗濯、買い物などの生活支援が受けられます。

住宅型有料老人ホームは介護付き有料老人ホームと違い「特定施設入居者生活介護」の指定を受けておらず、施設のスタッフが介護サービスを提供することはありません。そのため介護サービスを受けたい場合には、外部の介護サービスを受ける必要があります

ただ住宅型有料老人ホームのなかには訪問事業所や、デイサービス、居宅介護支援事業所などが併設されているところも多いため、そのような外部サービスを利用して入居し続けることができます。

住宅型有料老人ホームとは

 

健康型有料老人ホームとは

健康型有料老人ホームとは食事等のサービスがついた、自立した高齢者向けの居住施設です。シニアライフを楽しむことを目的としているため、イベントや体操などのレクリエーションが盛んで、スポーツジム、プール、温泉などの設備が充実している施設が多いです。

しかし、要介護度があがったり、医療が必要になった場合、施設を退去する必要があります。

健康型有料老人ホーム

参考:厚生労働省|有料老人ホームの類型

 

有料老人ホームに共通する特徴

有料老人ホームとはどのような施設なのでしょうか。「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」それぞれに共通する有料老人ホームの特徴をみていきましょう。

高齢者と介護福祉士
©mykeyruna/stock.adobe.com

 

多様なサービスを受けることができる

有料老人ホームは、国が規定しているサービス以外の内容も提供することができます。

例えば、介護士による24時間サポートやリハビリテーションであったり、設備としてカラオケルームやシアタールームなどを備えている施設もあります。

医療機関との提携が義務付けられている

有料老人ホームは「協力医療機関」と提携することが義務付けられているため、医師や看護師が緊急時に対応してくれます。

また緊急時には優先的に入院できたり、医師が往診するなどの契約を結んでいるホームもあります。

民間運営のため施設・設備が充実している

有料老人ホームは民間運営のため、各有料老人ホームによって設備が異なります

ある施設を例にとって見ると、生活面では居室、食堂、浴室、洗面設備、廊下などが設置されています。

医療面では医務室、健康管理室、汚物処理室などが設置されています。

そのため、入居者の方が体調が悪くなった場合や飲み忘れてはいけない薬などがある場合でも対応してもらうことができ、安心して暮らすことができます

 

有料老人ホームの入居条件

では、どのような方が有料老人ホームに入居できるのでしょうか?

有料老人ホームの入居条件は、施設によって異なります。

主に求められる条件は、年齢、要介護度、保証人・身元引受人の有無などがあげられます。

以下の表は「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」のそれぞれの入居条件です。ただし、有料老人ホームは施設数が多く入居条件も多様です。そのためあくまで原則となります。

入居条件 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム
年齢 65歳以上 60歳以上 60歳以上
要介護度 自立~要介護 自立~要介護 自立
保証人

ではそれぞれの条件について以下で詳しく説明していきます。

 

年齢について

原則としては、健康型有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームは60歳以上の方に限られており、介護付き有料老人ホームは65歳以上に限定されています。

しかし、あくまでも目安であり、入居できる年齢は施設によって異なるため、気になる施設があった際は直接施設に問い合わせるか、見学の際に聞いてみると良いでしょう。

 

要介護度について

必要とされる要介護度は有料老人ホームの種類ごとに異なります。

介護付き有料老人ホーム

要支援、要介護認定を受けた方が入居可能です。ただし介護付き有料老人ホームの中には自立している方や、徘徊の症状がある方寝たきりの方などが入居できる施設もあります。

受け入れ条件は施設によって多様であるため、入居希望者の介護状況にあった介護付き有料老人ホームを探しましょう。

住宅型有料老人ホーム

一般的には、自立~要介護度3程度までの要介護者が入居可能の目安とされています。

住宅型有料老人ホームは掃除や買い物などの生活支援サービスを提供することが目的であるため、高度な医療が求められたり、要介護度が上がった場合には住み続けることが難しくなる可能性があります。

健康型有料老人ホーム

自立して日常生活をおくることができる人が入居できます。健康型有料老人ホームの場合、原則として介護が必要になってしまうと退去しなければいけませんが、介護付き有料老人ホームなどに移動できる場合もあります。

 

保証人・身元引受人の有無について

有料老人ホームは基本的に高齢者が保証人を立てないと入居できません。

保証人は必要な理由としては、以下のようなものがあげられます。

  • 要介護者の緊急時に連絡を受ける
  • 要介護者が治療を受けるかどうかの判断が出来ない場合に代わりに意思決定をする必要がある
  • 要介護者の入院などの手続きや、死亡時の遺品の受け取りを行う。

もし身元保証人がいない場合は、身元保証人の引き受けをおこなうNPO法人や企業がありますので、そちらで確認してみましょう。また、成年後見人制度を使って、後見人を保証人にできるケースもあります。

 

有料老人ホームの費用・料金

有料老人ホームは月々に支払いをする月額利用料入居一時金が必要となります。有料老人ホームの費用の目安は以下のようになっています。

  • 前払い金:0~1億円程度
  • 月額費用:10万円~150万円程度

このように入居一時金は0円~、月額利用料は10万円程度~入れる施設もあります。

これらの料金やそれぞれの施設の設備や介護サービスの充実度、支払い方法によっても変わってきます。

費用の支払い方としては主に以下の3つの支払い方式があります。

  • 全額前払い方式
    終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の全部を前払い金として一括受領する方式。
  • 一部前払い、一部月払い方式
    終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の全部を前払いして一括受領し、その他は月払いとして一括受領し、その他は月払いする方式。
  • 月払い方式
    入居一時金を受領せず、家賃又はサービス費用を月払いする方式。

参考:厚生労働省|有料老人ホームの類型

つまり、終身までの施設にかかる費用を一括で払うか、ある一定額の入居一時金を払ったうえで残りは月額で払うか、入居一時金は払わずに月額で払うかの3つに分かれます。

これらのうちからどの支払い方式にするかを選べる施設も多くあります。

上記の支払いによって、月々の料金が変わります。

それぞれの支払い方式によってどのくらい変化があるのか、東京都にある施設Aの例を用いてご紹介をします。

例)施設Aで居住したい場合

個室Aタイプ:月払い方式

  • 入居時費用:0円
  • 月額費用:38.66万円

個室Aタイプ:一部前払い、一部月払い方式

  • 入居時費用:1870万円
  • 月額費用:15.66万円

参考:フローレンスケア芦花公園(世田谷区の介護付き有料老人ホーム)の詳細情報|LIFULL介護

このように各プランによって支払う金額が変わってきます。

ご自身やご家族に合った、支払いのプランを選択しましょう。

有料老人ホ―ムの料金や返還金制度などについてもっと詳しく知りたいという方は下記の記事で有料老人ホの費用についての説明をしているので参考にしてみてください。

有料老人ホームの費用について

 

有料老人ホームとサ高住の違いは?

有料老人ホームとサ高住はどちらも高齢者向けの住宅であり、似たところが多い施設であるといえますが、どのように違うのでしょうか?

契約形態の違い

有料老人ホームとサ高住の大きな違いの1つは契約形態です。

有料老人ホームでは終身まで施設を利用する権利を獲得するため「終身利用権方式」である一方、サ高住では通常の賃貸と同じく「建物賃貸借契約」を結ぶ施設が多くなっています。

サービス内容の違い

サ高住も介護付き有料老人ホームと同じく、「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける施設であれば介護サービスを受けることができるという点では共通しています。

一方、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない一般的なサ高住においては、施設のスタッフによる生活支援サービスを受けることができます。

ただしサ高住の基本的な生活支援サービスは安否確認と見守り、生活相談にとどまります。有料老人ホームは、高齢者に入浴、排せつ、食事の介護、洗濯、掃除等の家事、健康管理の中から少なくとも一つのサービスを提供している施設です。

そのため、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない有料老人ホームとサ高住ではどちらも生活支援サービスを受けることができますが、サ高住の方が受けられるサービスは少ないと言えるでしょう。

有料老人ホームとサ高住の違い

 

有料老人ホームのメリット・デメリット

ここまでを踏まえて、有料老人ホームを選んだ際に得られるメリットとデメリットをご紹介します。

 

押さえておきたい4つのメリット

有料老人ホームを選ぶべきメリットは主に4つあります。

自分に合った施設を探せる

「介護付き」、「住宅型」、「健康型」の3種類に分かれており、持病や体調に合わせて気に入ったところを選べるなど選択肢が多いです。

さらに、カラオケルームや大浴場などが併設されている施設もある点も魅力です。

比較的空きが多い

特別養護老人ホームと比べると比較的空きが多くあり、入居待ちの心配も少ないです。

夫婦で入居可能

有料老人ホームでは夫婦で入れる2人部屋を用意している施設も多くあります。介護付き有料老人ホームの「自立型」「混合型」、住宅型有料老人ホームなどでは一方に介護が必要な場合(もう一方は自立など)でも夫婦一緒に入居できます。

老後、介護が必要になっても夫婦で一緒に暮らしたいという方にはぴったりの施設です。

夫婦で入居可能な老人ホームの種類

医療体制がしっかりと整っている

有料老人ホームは「協力医療機関」として医療機関と契約を結び、医師や看護師が緊急時に対応してくれます。

施設によっては緊急時に優先的に入院することが可能ですので安心できます。

お金の払い方を決められる

費用の支払い方法が多岐にわたるので、自分のお金と相談をしながら、施設を選ぶことができます。

以下3点あります。

  • あらかじめ終身にわたっての家賃またはサービス費用の全部を支払う全額前払い方式
  • 終身にわたっての家賃またサービス費用の一部を入居一時金で支払い、残りの金額を月々で支払う前払い方式
  • 一時入居金をかけないで全額を月々で支払う月払い方式

このように、支払い方法がたくさんあるので、各家庭に合った選択ができます。

 

デメリ

デメリットは主に2つあります。

他の介護施設に比べて費用が高い

他の施設に比べて、月々の料金が15万円ほど高いです。

さらには入居一時金が必要なところもあるので、ある程度まとまったお金が必要になります。

サービス内容にばらつきがある

高齢化が進み、介護サービスの需要が拡大しているため新規参入する事業者が増えています。

一方で、介護の担い手が需要の拡大に追いついていないため、サービスの質にばらつきがあります。そのため、施設を見学したり、ケアマネの意見を踏まえたうえで施設を選ぶことが大事です。

 

入居を検討する方たちが抱く質問をご紹介

最後に有料老人ホームへの入居を検討する方たちがよく抱く質問をまとめましたのでご紹介致します。

悩むシニア男性
©naka/stock.adobe.com

 

特養が空くまでの間入居したいけれど可能ですか?

入居していただくことは可能です。

ただし入居一時金は支払う必要があるので、すぐに特養に入りなおした場合、入居一時金は戻ってきません

そのため在宅で介護をするか、ショートステイを連続使用(ロングショート)するのが一般的です。

ショートステイとは?ロングショートステイについても解説

 

介護保険制度は使えますか?

特定施設入居者生活介護の適用範囲で使うことができます。

そのため、有料老人ホームの中では、介護付き有料老人ホームが該当します。

住宅型有料老人ホームは、外部の介護サービスを受ける際に介護保険制度が適用され、健康型有料老人ホームは、介護サービスではないので適用されません。

※特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者を対象として行われる、日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話のことであり、介護保険の対象となる。

参考:厚生労働省|特定施設入居者生活介護の概要

 

有料老人ホームの費用を抑えることはできる?

選択肢を変えれば費用を抑えることができます。

例えば、駅から遠い施設や地方の施設を選んだりすることで費用を抑えることができます。他にも在宅介護を受けながらショートステイを利用する方法もあります。受け取っている年金や今ある資産を考慮しながら、比較してみましょう

 

まとめ

笑っている老夫婦
©paylessimages/stock.adobe.com

有料老人ホームは、要介護度が高い人は介護付き有料老人ホーム、要介護度が低い人は住宅型有料老人ホーム、自立している方は健康型が有料老人ホームに適している施設です。

入居する前にお金が払える人は全額前払い方式、月々でお金を払いたい人は月払い方式など、支払いの方法も様々です。

また、カラオケルームや温泉などたくさんの種類のサービスがあり、どの施設が自分にあっているかといった判断は、施設の検索サイトで場所やサービス内容、施設、費用などを見て、気になる施設があれば実際に施設を見学してみるとよいでしょう。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。