老人ホームの食事はまずい?普段のメニューからイベントの食事までご紹介

施設に入所したら美味しいご飯は食べられず、好みの味付けではない料理を食べることになると考えている人も多いかもしれません。

確かに、食事には好みがあり、『甘い』『辛い』『しょっぱい』など感じ方は人それぞれです。

しかし、最近の老人ホームでは多くの人が「美味しい!」と感じられるように取り組んでいる施設が多く、食事に関しては自信を持っているところが増えています。

今回は老人ホームの食事の実態を説明し、さらにどのようにして施設を選べばいいかといったコツをお伝えします。

メニュー・献立について

老人ホームであっても家庭で食べるような食事を提供してくれます。

素朴な味の肉じゃが、庶民的なカレーライス、アツアツが美味しい天ぷらなど、栄養とカロリー栄養士が計算して提供してくれます。

具体的にどのような献立があるか解説していきます。

カロリー計算はもちろん、一人ひとりに合った栄養を提供

管理栄養士の画像

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栄養士(管理栄養士)が献立を考えてバランスの良い食事を提供してくれるのは、全ての老人ホームに共通して言えることです。

原則として、1日で摂取する標準的なカロリーが決められており、活動性の高い有料老人ホームでは1,500kcal、活動性の低い特養などでは1,300kcal前後になっているところが多いようです。

もちろん高齢者が気にするのはカロリーだけではありませんよね?

そうです、疾病などに合わせた食事が提供されるのかが気になると思います。

例えば、糖尿病、腎臓病、高血圧症などがあれば、それに合わせた調理にしなければなりません。

医師の指示により調理が必要となる場合はしっかりと対応してくれるので安心です。

ただし、医師の指示に基づいて調理がされたという理由から料金アップ『加算』がある場合もあります。

季節のイベントごとに様々なメニューを楽しめる

四季の画像

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老人ホームに入っていても旬の食材を使った、季節を感じられるものや、その季節の美味しい食事を食べることができ、その多くはイベントとして提供されます。

例えば、春のイベントにはお花見があります。

色鮮やかなお弁当を作ってもらい、花見に出かけることもあるでしょう。

夏には、喉越しの良いそうめん冷や麦も食べる事ができ、竹を切ってそうめん流しを楽しめる施設もあります。

秋は「食欲の秋」とも言われますよね?

栗ご飯、さんまの塩焼き、松茸、芋炊きなど食べることができます。

12月には、クリスマスやお正月がありますので、クリスマスケーキが一緒に出たり、おせち料理も出たりします。

食べれないものがあるときやお医者さんに制限するように言われていても対応してくれる?

老人ホームのNG

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食べられない食材とは、『嗜好の問題で食べられないのか』それとも『アレルギー反応があるなど身体に害があり食べられない』というケースがあります。

前者の場合、カレーのなかに嫌いなジャガイモが入っていれば、出来る範囲で取り除いて調理をしてくれます。

後者の場合、家族や医療機関などの情報をもとにアレルギー反応があるものを使用しないで料理してくれます。

先述しましたが、疾患などによって食事制限が必要な場合があります。

しかし、なにをどのように制限されたものを食べればよいか一般の人は分かりませんよね?

でも大丈夫です!医師から書面で指示が出され、栄養士が確認し調理がされるような流れになっています。

高齢者は何らかの疾患を有している人が多く、決して珍しいことではないので安心してください。

1人で食べることができない場合にはどうする?

自立されている方、要支援1~3ぐらいなら自分で食べられることができるでしょう。

しかし、体調が悪い場合や、咀嚼・嚥下機能の低下、上肢の筋力低下や肘関節の拘縮などにより口まで運ぶことが難しい場合には対応してくれます。

介護スタッフによる食事介助

食事介助の画像

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完全に寝たきり状態ならば最初からスタッフが介助してくれます。

口はしっかり開くか、咀嚼や嚥下状態は大丈夫か、義歯の調子はどうかなど専門的な観察をおこなってくれながら食事介助をしてくれます。

なんとか自分で食べる事ができそうな人に対しては、最初からスタッフが食事介助をおこなう事はしません。

少し努力すれば口まで食事を運ぶことができる可能性があれば、スタッフが隣で「自分で出来るところまで挑戦してみましょう」などと声かけをしてもらい、残された機能がなるべく維持できるように取り組んでくれます。

もちろん手が動かなくなったり、器の場所が移動してスプーンで上手くすくえなくなるようなことがあれば、しっかり介助をしてくれます。

介護食・刻み食

介護食の画像

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咀嚼や嚥下機能に合わせた介護食も提供してくれます。

例えば、義歯がなく咀嚼が難しければ刻み食を提供したり、嚥下に問題があれば流動食を提供してくれます。

実際には細かく栄養士や看護師、介護スタッフなどが話し合いをして、その入居者にとって最残の食事形態で提供してくれます。

著しく栄養が不足していると判断されている場合は、栄養補助食品も提供してくれます。

※栄養補助食品
少ない量でなるべく多くの栄養が摂取できるように加工されている食品のことです。
業者から施設が購入し、液体状、固形状があり、味の種類も豊富です。

それぞれの老人ホームの食事の特徴とは?

入居する方の心身の特徴が微妙にちがうそれぞれの老人ホームでは、どのような特徴があるか解説していきます。

有料老人ホームの食事の特徴とは

高級老人ホームと呼ばれることが多い有料老人ホームでは、食事に力を入れている施設が多いです。

冒頭でも触れましたが、高齢者になっても美味しい物を食べたいという気持ちは同じで、「美味しい食べ物が食べられる」と考えるだけで意欲や元気も出ます。

そんな入居者のことをしっかりと考えられて、一流のシェフがその施設内で調理し、提供してくれるのがほとんどです。

イベントの一環として、目の前で寿司を握ってくれたりフランス料理のビュッフェスタイルなどもあります

活動性の高い高齢者が、美味しい食事を求めて入居するなら高級老人ホームと呼ばれる有料老人ホームに入居するのがおすすめです!

寿司の画像

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特養の食事の特徴とは

原則要介護3以上の方が入居している特養では、それぞれの入居者の身体機能に合わせた食事を提供するのが得意です。

例えば、主食(ご飯)なら軟飯、普通のお粥、さらに柔らかいお粥があったりします。

うどんやそばの場合は、上手く食べられるように麺の長さを短くしてくれたりもします。

身体機能を観察して、スタッフが流動食がいいだろう判断しても、入居している本人や家族の意見も最大限配慮してくれます。

「お粥は苦手、せめて軟飯が食べたい」という場合には、スタッフによりリスクを説明してもらい、それに納得すれば軟飯を提供してくれるケースもあります。

また、特養は医療との連携が必須ですので、血液検査などの結果から食事制限をした方がいい場合は、医師からの指示のもと調理されるので安心です。

サ高住の食事の特徴とは

サ高住も高級老人ホームと呼ばれることもあります。

地方では少ないですが、東京、名古屋、神奈川、大阪などでは競争が激しく、食事で勝負している施設が多いことは確かです。

一人で普通の食事を食べられる人もいれば、場合によっては終始食事介助が必要になる人もいますので、幅広く対応してくれるのが特徴です。

施設内で調理をしているところもあれば、外部に委託して運んでもらうサ高住もあります。

※外部委託がまずいという意味ではありません。
ある程度自立している高齢者なら、サ高住で美味しい食事のある施設を探してもいいでしょう!

食事の時間は何時ごろ?

有料老人ホームは特に決められていないところが多いです。

「11:30~14:00の間に昼食をお願いします」といった感じで、時間に幅を持たせて、その時間内であれば自分のタイミングで食事ができるようにしているところが増えています。

特養などでも、最近は時間に幅を設けて、自分のタイミングで食事ができるようにしている施設が増えつつあります。

ただし、終始介助が必要な方に対しては難しいでしょう。

一般的な食事時間は、朝(7:00前後)、昼(12:00前後)、夜(18:00前後)となっています。

食事はどこで作るの?もしかして冷凍?

冷凍食品の画像

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老人ホームの食事は必ずしも、その施設の厨房で作られているわけではありません。

ある程度大きな工場で作られて、毎日運ばれてきてそれを配膳している施設も少なくありません。

また、老人ホーム内に厨房があって、そこで作られていたとしても、調理をする人は外部委託でその老人ホームのスタッフでない人が働く場合もあります。

特養などでは、冷凍食品などの利用も積極的にされています。

少し前なら、『冷凍食品と言えばなんとなくまずい・・・』というイメージがあるかもしれません。

しかし、最近のものは決してまずいというわけではなさそうです。

現実問題、厨房で魚をさばいて、油で揚げて調理するといことは大変な作業なので、冷凍に頼る部分があることは確かです。

入居の前には見学に行って試食してみよう!

食事について気になり、見学をする場合には是非、試食をして下さい

事前に依頼しておけば、多くの老人ホームでは試食を食べられるでしょう。

もし、栄養士や調理員と話すことがあれば、以下のことに気を付けて質問してみて下さい。

  • 食材はどうやって調達していますか?
    (地元の新鮮な食材かどうかが分かります)
  • 人気のあるメニューはなんですか?
    (得意とする料理が分かります)
  • 味付けが合わない場合、どこまで対応してくれますか?
    (有料老人ホームでは個別に対応した調理をしてくれる場合もあります)
  • 介護食には対応してくれますか?
    (後々のことを考えて質問しておきます)

献立表を見る時のポイント

  • 一日を通して同じ食材を使われている場合はないか
    (食材の使いまわしが考えれます)
  • 朝食はパンとご飯のバランスが良いか
    (パンだけ、ご飯だけにならないか確認します)
  • 特別は日はメニューも豪華か
    (例えばクリスマスにはイベント食として豪華な食事なのか確認します)
  • デザートはあるか

今回解説した記事をもとに、自分たちの理想とする食事が食べられる老人ホームを見つけて下さい。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。