老人ホームのレクリエーションについて例を交えて詳しく解説!

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老人ホームでは、入居した後の生活でも楽しみを見出してもらい、他の入居者との接点を作ったり、認知機能や身体能力の維持・向上を目的にレクリエーションが開催されています。

レクリエーションはどの年代でも必要なものであり、人間が健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要なものなのです。

この記事ではそんな老人ホームのレクリエーションについて、その目的や具体的にどんなことが行われているのか、施設ごとにどんな特徴があるかなど、あまり知られていないところまで詳しく解説していきます。

老人ホームで行われているレクリエーションの目的とは

老人ホームでのレクリエーションと言っても、単にその場を楽むだけではありません。

それ以外にも目的があり、その目的を達成することにより新しい自分の発見などがあるのです。

老人ホームでのレクリエーションの目的を具体的に解説していきます。

生活にメリハリをつけることができる

多くの場合、月間でレクリエーションが計画されており、力の入れている施設では毎日のように予定があり、そこで生活する人たちの楽しみになっています。

朝起きて「今日は午後から外出でお花見がある」と思うと、その方は「何を着ていこうかなぁ・・・」「どのような食事(弁当)が出るのだろうか??」など色々考えてそれに向けて生活を整えようとします。

事前に排泄を済ましたり、好きな服に着替えるのもそのひとつです。

このように、レクリエーションがあることによって、自分の生活にメリハリをつけることができ、高齢者になっても人間らしい生活を営むことができるのです。

精神的に安定する

毎日同じ生活の繰り返しだと、変化がなく息が詰まりそうになります。

それは学生や働き盛りの若者でも同じですよね?

時には友達と呑みに行ったり、旅行をしたりして楽しむことで、普段のストレスを発散したり、ドキドキ・ワクワクした気持ちが高まります。

老人ホームで生活する高齢者も同じで、日々の生活に変化をつけるレクリエーションに参加することによって、精神的に安定することができるのです。

機能訓練の役割も果たす

老人ホームで行なわれるレクリエーションには、軽く身体を動かす運動会や体操があります。

また、『脳トレ』などとも呼ばれる、頭を使い考えて楽しむゲームや学習療法などもあります。

どれも決して難しい内容ではなく、楽しみながら実施できるのが特徴で、自然に機能訓練の役割を果たすことで身体の機能維持や認知機能の維持・向上をすることができます。

※学習療法

認知症を患った人の脳機能維持や改善をしたり、認知症を予防するために薬を飲まないで実践するものです。

学習というイメージからご本人に難しい問題をやってもらうように思われますが、楽しむことも目的です。

他の入居者やスタッフとの交流ができる

老人ホームで行なわれるレクリエーションは全員が強制的に参加する必要はありません。

例えば、クラブ活動のようなイメージで好きなレクリエーションが開催される時に、自分のタイミングで参加することができます。

そうすることにより、同じ趣味の仲間が集まり、話が盛り上がりその場だけでなく終了後も仲良くなることができます。

気分の乗らないレクリエーションに参加するのは嫌ですよね?

参加者が同じ『楽しむ』という気持ちに参加することにより、仲間の輪が広がり自分以外の入居者やスタッフとの交流も拡大するでしょう。

老人ホームで行われているレクリエーションの種類をご紹介

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老人ホームでは、簡単な体操やクイズのようなものだけでなく、実に様々な種類のレクリエーションが存在します。

他にはないレクリエーションを行うことをPRする老人ホームがあるほどです。

その中でも代表的なレクリエーションをいくつか見ていきましょう。

身体を使うレクリエーション

まず老人ホームのレクリエーションといわれて思いつくのは身体を使ったレクリエーションではないでしょうか。

もちろん身体を使うといっても激しい運動ではありません。

リズムに合わせて手を叩いたり、椅子に座ったままできる軽い体操がこれにあたります。

最近では老人ホームオリジナルの体操があったりします。

大勢の人と一斉にする場合が多く、知らず知らずのうちに身体を動かし、それを通じて他の入居者の方とも交流することができるという魅力もあります。

頭を使うレクリエーション

老人ホームの生活のなかでは、頭(脳)をフルに使うことは少ないと思います。

高齢者の場合、『認知症予防』と称して、脳トレや学習療法などが実践されるケースが多いです。

老人ホームのスタッフが手作りで作成したり、書店で教材を購入しそれを利用するケースもあります。

力の入れている老人ホームでは、外部から先生を呼んで本格的に実施されることもあります。

そして、脳トレを実践することによって、どれだけ成果が出ているかも知ることもできるのです。

他には、簡単なクイズやしりとり、なぞなぞなども実施され、気軽に脳の刺激になるのです。

【脳トレの例】

出典:『穴うめ計算 – 足し算』- 無料プリント|高齢者の脳トレ&レクリエーション

ものを作るレクリエーション

座った状態でも手軽に行うことができる手芸はよく実施されるものを作るレクリエーションの一つです。

具体的には折り紙、塗り絵、貼り絵、パズルなどの手芸があり、手先が器用な人には人気が高いレクリエーションです。

施設によっては、完成した手芸作品に作成者の名前を付けて廊下などに掲示してくれたりもします。

さらに、質の高い作品が完成した場合には、外部のコンクールに出展することもできるのでモチベーションがあがるでしょう。

音楽を使ったレクリエーション

音楽を使ったレクリエーションには3種類あります。

① 演奏や生歌を聴く

② 自ら楽器を使ったり、歌を歌う

③ ①・②が混合されたもの

①に関しては、一流の歌手などが来て楽しませてくれるものから、地元の幼稚園児や小学生が演奏してくれるものがあります。

②に関しては、音楽を利用して脳に良い刺激を与える音楽療法士が主体となって行なってくれたり、施設のスタッフが行なってくれる場合もあります。

③に関しては、音楽療法士が実践してくれます。

音楽療法士は高齢者分野だけで活動しているのではなく、人間の様々な場面で音楽を使うことによってリラックス効果を発生させて、脳に良い刺激を与えてくれます。

一般の人では難しい音楽療法ですが、専門資格を持った人なら、楽しみながら音楽に触れあうようにしてくれます。

それぞれの老人ホームで行われているレクリエーションの特徴

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高齢者が入居してレクリエーションを実施する施設はたくさんありますが、ここでは種類別にどのようなレクリエーションが行なわれるか解説していきます。

有料老人ホームのレクリエーションはアクティブな方も楽しめるものが多い

介護を必要とされる方から自立した方まで幅広い層の方が入居する有料老人ホームですが、比較的活動性の高いレクリエーションが実施されます。大正琴や書道、俳句を習ったり、施設内で開催される運動会もあります。

自分のしたいこと、習いたいことを選択し、そのなかから行なうような形が多いのが特徴です。

施設に入居してもアクティブに楽しんでいきたいという方は有料老人ホームのレクリエーションでどんなことが行われているか調べてみるといいでしょう。

【必見】有料老人ホームとは?費用や入居条件について徹底解説

特養のレクリエーションは認知機能の向上を目的にしている

原則要介護3以上の方が対象となる特養では、音楽療法や回想法などが積極的に行なわれています。

どちらも認知症に効果があり、外部から専門職がやってきて実施してくれます。

回想法とは、昔の絵や写真、思い出話をすることによって、対象となる高齢者がイキイキと生活していたことを思い出してもらい、脳を刺激することです。

認知症が軽度な方には脳トレや学習療法も行なわれます。

それほど本格的に実施している施設は少ないですが、小学1~2年生程度の計算問題や漢字の読み書きが行なっている施設もあります。

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老健のレクリエーションは体を動かしてリハビリにつながるものが多い

リハビリテーションに重点を置いている老健では、楽しみながら自然に身体を動かすようなレクリエーションが実施されます。

決して、強制的に身体を動かすようなレクリエーションでなく、思わず身体を動かしたくなるようなレクリエーションが行なわれるのです。

例えば、職員が入居者の前に踊ったり、歌を歌うことによって自然に身体が動きますし、表情にも変化が現れて笑顔も見られるようになります。

特養と同じように脳トレや学習療法も取り入れる施設も多いです。

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サ高住のレクリエーションは入居者が主体となって行う

サ高住は入居のターゲットが自立~要介護度が低い方が中心に入居しているため、アクティブな方たちが楽しめるようにレクリエーションに関する設備が充実しています。

ただし、スタッフが入居者に対して積極的に関わりレクリエーションを提供するよりも、カラオケルームや麻雀室で入居者自身で楽しんでもらうものが中心になります。

施設によっては介護を必要とする方には、手芸などの作品作りのレクリエーションを提供しているところもあります。

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レクリエーションへの参加は自由

基本的にレクリエーションの参加は入居者の方たちが決めることになっており、自分の興味があるものに自分のタイミングで参加できるように配慮がされています。

施設ではさまざまなレクリエーションを準備して、多くの人に興味を持ってもらい参加してもらえるように取組んでいます。

「今年になって新しいレクリエーションが企画されているなあ~」なんて感じることもあるかもしれませんね。

自分がやりたいレクリエーションがある施設の探し方

これまでレクリエーションには様々な種類があり、施設によっても提供しているレクリエーションに特徴があることを見てきました。

ここからは入居する方に合ったレクリエーションを行っている施設をどうすれば見つけることができるかを見ていきます。

有料老人ホームやサ高住での探し方

都心部では高級老人ホームと言われたり、介護度が重度でない人が入居の対象となる施設です。

一般的にホームページやパンフレットも充実しており、レクリエーションの紹介がしてあることがあります。

その中でも気に入った施設があれば、実際に自分の目で確認することをおすすめします。

例えば、実際に行われるレクリエーションの時間帯に合わせて見学してもいいでしょう。

宿泊体験に参加し、レクリエーションも実際に実施することによって、言葉や写真では伝わらない雰囲気も分かると思います。

実際に施設に見学に行く際には下記の記事も参考にしてみてください。

【老人ホーム選びで公開しないために!】見学時に確認しておきたいポイント解説

特養や老健での探し方

要介護度の高い施設なので、活動性の高いレクリエーションはあまり行われません。

スタッフによるレクリエーションも楽しいですが、外部からのボランティアによって行なわれることが多いです。

そのため、見学や問い合わせて際は、どのような団体のボランティアさんが来てレクリエーションを実施してくれるか具体的に尋ねましょう。

もしかしたら、孫やひ孫が通う保育園や幼稚園の歌や踊りを観ることができるかもしれません。

また、「単発的に実施されるレクリエーション」と「毎日実施されるレクリエーション」にはそれぞれどのようなものがあるか具体的に尋ねるようにします。

例えば「おでかけはよくします」と言われた場合でも、どれぐらいの頻度で行なわれるのか具体的に尋ねることで、「そんな筈ではなかった・・・」ということを防ぐことができます。

まとめ

高齢者施設にレクリエーションは、排泄、入浴、食事、睡眠と同じぐらい大切なものであり、介護保険法でもしっかり「余暇活動を実施すること」という趣旨のことが記されているのです。

足腰が痛くても、腕が挙がらなくても、認知症になっても、人間がイキイキとして生活を送るために、レクリエーションは大切なもので、老人ホームも力を入れて取り組んでいる部分になりますので、老人ホームを選ぶ際には是非レクリエーションについても注目してみてください。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。