【施設形態別】老人ホームのイベントの特徴や目的について徹底解説

施設に入居しても春の日の温かさや、紅葉の美しさなど季節を感じて、刺激のある日々を過ごしたいと思います。

自宅で生活しているときはなかなか外出などが難しい人でも、老人ホームに入居することによりさまざまなイベントを体験することができるようになり、イキイキとした生活を送ることができます。

今回は、老人ホームに入居する年間を通して、どのようなイベントが開催されるのかを解説し、施設ごとの特徴も解説していきます。

老人ホームで人気のイベント

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老人ホームでは様々なイベントが催され、入居者を楽しませようとしています。

その中でも特に人気の高いイベントは、季節ごとにしか味わうことができない特別な食事や、1人で行くのは難しい旅行、音楽のイベントになります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

季節の味覚を楽しめる特別な食事

日本には四季があり、それぞれの季節でしか食べることができない食材があります。

例えば、「スイカは夏にできる」「サンマは秋が美味しい」など、食材を見ただけで季節を連想することができるのは世界でも珍しいのです。

高齢者になっても食べることはとても楽しいことで、普段食べることができない特別な食事が提供されると笑顔で溢れています。

食事は五感で食べるといつも以上に楽しめます。

例えば、松茸なら、焼くときの音を聴いて、見て、触って、匂って、食べて味合うことによって、楽しみが倍増し脳も刺激になるのです。

このような特別や食材を使った、季節感を楽しめる食事はとても人気のイベントなのです。

外出や日帰り旅行

一人ではなかなか不安な外出や日帰り旅行も、老人ホームで開催されるイベントで行けば安全に楽しく過ごすことができます。

高級老人ホームなどでは、バス一台を貸し切って温泉旅行やショッピングツアーなどがあります。

気の合う仲間と行けば、老人ホーム内での生活とは違った刺激になり盛り上がるでしょう。

コンサート

老人ホームではさまざな形のコンサートが開催されます。

例えば、プロの歌手を招いて一流の歌声を聴いたり、バイオリンやピアノの演奏を生で聴くこともできます。

施設によって、近くの保育園や幼稚園の子供たちの歌声を聴くこともでき、終始笑顔で楽しめるイベントもあります。

老人ホームで行われるイベントの目的

老人ホームで行われるイベントは、もちろん入居者の方々に楽しんでもらうことを目的としていますが、楽しむことに加えて他にも様々な目的を持って催されています。

老人ホームではどうしても同じような毎日を過ごしてしまうことになるので、生活にメリハリを持たせることであったり、他の入居者との交流を促進することなど多岐にわたります。

その中でも老人ホームで催されるイベントの目的として代表的なものを見ていきましょう。

生活にメリハリをつけて刺激のある日を過ごす

元気な人でも、毎日同じ生活の繰り返しだと暇で、つまらなくなりますよね?

もちろん高齢者だって同じで、少しでも非日常的な生活を送ってもらうことにより、気分転換にもなりますし、脳が刺激して認知症予防にもなるのです。

身体機能の維持・向上ができる

居室、トイレ、食堂と決まった場所への移動を繰り返すだけの生活では、筋肉を使う部分は限られており、いつも同じ筋肉にしか負荷がかかりません。

そのため、少し違った動きをしたら、足や膝、腰に痛みを感じる高齢者も少なくはないでしょう。

さまざまなイベントを通して、普段使わない筋肉や関節を動かすことにより、身体機能の維持・向上が期待できるのです。

精神的に安定できる

先ほど、認知症予防になることの効果をご紹介しましたが、イベントに参加することによって精神的に安定し日々の生活を落ち着いて過ごせるようにするというねらいもあります。

高齢期には「自分はもうだめだ」「この病気はもう治らない」など喪失感が発生しやすいのが特徴です。

そのような状態で、自分に合ったイベントに参加することによって心が元気になれるのです。

イベントといっても開催される全てのものに参加する必要はないので、これまで自分が営んできた生活に照らし合わせて、興味があるイベントだけにでも参加してみるといいでしょう。

例えば、コンサートで懐かしい曲を聞いたりすることで精神状態が安定し、不安な気持ちがなくなる場合もあります。

他の人との繫がりをつくる

日常生活のなかでは多くの人が同じ人とばかり会話をするのではないでしょうか?

これは、一般の活動性の高い世代でも同じで、自宅と職場を行き来するだけでは新しい出会いがないのと同じです。

老人ホームでも1階、2階、3階とありますので、普段は関わりのない人とともイベントを通して繋がる可能性があるのです。

話してみれば実は出身地が同じだったというケースもあり、そこから話に花が咲いて友人ができ、生活が豊かになるということも考えられます。

どんなイベントが開催されるの?季節ごとの特徴的なイベントをご紹介!

老人ホームで行われているイベントは、四季ごとに考えられているものが多く春夏秋冬それぞれにあわせたイベントが開催されています。

それぞれの季節でどんなイベントが行われているのか見ていきましょう。

春に開催されるイベントの特徴

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春は何と言っても、花見です。

年間を通して一番ウキウキする季節という方も多い春には、春の陽気を感じられるような、施設が作ってくれたお弁当を持参し、スタッフや他の入居者と外で美味しく食事を食べることができます。

他には、お酒の呑み比べ、日帰り旅行、映画鑑賞などがあります。

夏に開催されるイベントの特徴

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夏は気温が上昇し、40度近くになる地域もありますので外出は控える傾向にあります。

『涼』を求めて、そうめん流し、スイカ割り、納涼祭などが開催されます。

老人ホームによっては屋上に上がれば、そこから近くの花火大会が観られる施設もあります。

秋に開催されるイベントの特徴

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秋と言えば「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」といった具合でどのようなことでも楽しむことができます。

特に高齢者に人気で、老人ホームでも取り入れられているイベントは、食べることに関するものです。

秋の食材を使った食べ物を提供してくれたり、ケーキバイキング、芋炊きなどがあります。

冬に開催されるイベントの特徴

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冬の行事と言えば、クリスマスとお正月が代表的ですね。

クリスマスにはコンサートが開催されたり、お正月には餅つき大会などもあります。

そのほかにも新年会や忘年会などで体が温める鍋料理を楽しむこともできます。

それぞれの老人ホームで行われているイベントの特徴とは?

老人ホームと一口に言っても、入居されている方の状況は施設ごとに大きく分かれているため、開催されるイベントの種類にも違いがあります。

例えば、元気な高齢者の方が多く入居されている施設では、アクティブな方でも楽しめるイベントが開催されますし、原則として要介護度3以上の方しか入れない特養では余り体を動かさないように配慮されているイベントが開催されるなど、施設ごとにそれぞれ特徴があります。

有料老人ホームのイベントの特徴

とにかくイベントの頻度が多くて、ひとつひとつに力が入っているのが特徴です。

イベント代金は別途徴収されるケースもありますが、それに見合った楽しみを提供してくれます。

高級老人ホームといわれる有料老人ホームでは、今まで紹介してきたようなイベントはもちろんのこと、一流の板前さんが目の前で寿司を握ってくれたり、TVでも有名な歌手がコンサートをしてくれることもあります。

また、年間を通してどのようなイベントスケジュールがあるかを教えてくれる施設もあるので、計画的にイベントを楽しむことができます。

特養のイベントの特徴

原則、要介護3以上の人が対象となる施設なのでハードなイベントは開催されないのが特徴です。

外出などもありますが、大人数ではなく少人数で短時間の外出になるでしょう。

特養の場合は地域との関わりを重視していますので、地元幼稚園児のお遊戯会があったり、小学生や中学生との交流会があります。

また、まだ要介護状態でない地元の高齢者が施設に遊びに来てくれたりもします。

老健のイベントの特徴

要介護1以上の方が入居の対象となり、歩ける人もいれば車椅子の人もいます。

そのような方でも気軽に参加できるイベントは外出や特別な食事です。

例えば、春になれば花見にいったり、夏になればスイカ割り大会などが開催されます。

施設によっては、バイキング形式の食事が提供されたり、忘年会や新年会、おせち料理なども食べることができます。

イベントとレクリエーションの違い

よく同じような意味で使われるイベントとレクリエーションですが、そこで生活する入居者を楽しませてくれるという意味では同じです。

イベントは施設のスタッフが時間をかけて念入りに準備をしてくれて、その日1日が特別なイメージです。

また、その施設のスタッフだけではなく、外部の人の協力を得て開催される場合もあるので、レクリエーションに比べると非日常的な雰囲気を楽しめます。

レクリエーションはイベントに比べると少しコンパクトで簡単にできるイメージです。

例えば、将棋や囲碁をしたり、カラオケを気軽にしたり、スタッフによって考案されたゲームを20~30分楽しんだりします。

昔懐かしのCDを楽しむのもレクリエーションになるでしょう。

イベント レクリエーション
規模 比較的大きい 比較的小さい
費用 高額で個別で必要になる場合がある 少額で参加しやすい
施設が負担してくれるケースが多い
準備 スタッフ以外の人が準備に関わる場合がある スタッフ中心に準備が行なわれることが多い
計画性 年間スケジュールで分かる場合が多い 月間スケジュールで分かる場合が多い
時間 長時間の場合がある 1時間以内に終わる場合が多い

まとめ

老人ホームでは生活を送るだけでなく、イベントを通して楽しく元気にイキイキとした生活が送れるように支援してくれます。

高級老人ホームになれば、豪華なイベントを年間を通して計画されており、楽しみのひとつになるでしょう。

施設によって、イベント内容に違いがありますので、希望する老人ホームではどのようなイベントがあるか事前に調べておくと良いでしょう。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。